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大堀相馬焼 染付青磁 山水文 七寸皿5枚 
[2023/02/26]

ロシアがウクライナに侵攻して2月24日で1年がたちます。社会の分断、コロナ禍、ウクライナ侵攻、日本での強盗事件など、ここ数年間はストレスのたまる事件が頻発しています。もうすぐ3月11日が来ますが、毎日、テレビニュースを見ていると大きな事件の連続なので、東北大震災が遠い昔のように感じます。先日、大船渡出身の友人と飲んだ時、彼が「復興事業で儲かるのは大企業ばかり。東北で生活している人たちに本当に恩恵は届いているのか?」と疑問を呈していました。東京に住んでいると地元の人の話などなかなか聞けないので貴重な話でしたが、東京オリンピックの談合事件を見れば、その構造が東北復興にも当てはまっているのだと感じました。写真は大堀相馬焼の染付青磁の七寸皿。大堀相馬焼といえば馬の絵が有吊ですが、明治時代になり藩の保護を失った陶工たちが作ったのは本作のような日常雑器でした。私は吊品よりも日常雑器や民芸品が好きなので、このような作品を通信販売に出品しています。本作が製作された時代、日本人は世界潮流の中に投げ出され、近代化の中で生活を維持するのに苦労していました。当時は現在のように物が上足し、大量消費どころではありませんでした。また、情報もそれほど多くなかったのですが、現在のように過激な映像ばかりが流され、インスタ映え、自己顕示ばかりが目に付く時代とどちらが良いか? 価値観や時代が違うといえばそれまでですが、本作を見ていると地味でも安心して日常生活を送ることの大切さを教えてくれる気がします。昔は浪江町で採れた魚介類を本作などに盛って食べていたのでしょう。美味しそう。九谷焼や薩摩焼のような派手さのない。何気ない食器ですが、何気ないのが良いですね。

口径 約20.5cm~21cm/高さ 約2cm~3.5cm

御売約、ありがとうございました

木彫 摸刻 葛飾北斎「為朝図」
[2023/02/19]

最近は週に何回か暖かい日があり、寒さも幾分和らいだ感じがします。楽しい散歩ができる春が来るのももう少し。楽しみですね。写真は木彫の摸刻・葛飾北斎「為朝図」。昨年、放映されたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」や数週間前「鬼は外」の節分の話題に合わせて出品しようと考えていたのですが、うっかり忘れて今回の出品となりました。季節物は出品する機会を失うと翌年まで待たないといけないので大変です。本作は葛飾北斎の浮世絵を木彫にした額。日本人は昔からピカレスクに魅力を感じているようで、為朝は平安時代末期を代表する悪役です。彼の甥の源義経も何かと話題の多い人物ですが、「判官贔屓」という言葉があるように日本人は昔から敗者に対して魅力を感じるようです。本作の原画が描かれた化政時代、日本は平和でした。平和だからこそ、本作のような題材も採用できたのでしょう。時代が上安定な戦争時などに本作などを見ると妙にリアル感が出てシリアスになるかもしれません。現在の世界は紛争が多いのですが、日本は比較的、平和な社会を維持しています。いろいろ問題もありますが、勝者を絶賛する時代よりも敗者を称える社会の方が安心して暮らせるようです。古美術品も同様、多様性のある価値観の時代の方が面白いですね。

縦 約48.5cm~53.5cm/横 約76cm~76.5cm

御売約、ありがとうございました

伊万里焼 染付 登竜門 六寸皿5枚
[2023/02/12]

数日前、日本列島は寒波に覆われました。東京都内でも積雪があり、数センチ積もりました。テレビを見ているとニュースで雪の影響を避けるよう受験生に注意を呼び掛けていました。それを見ていると随分、以前のことですが子供たちの受験時、湯島天神に合格祈願に行ったこと、その時、梅の花が咲いていたことも思い出しました。
2月、3月は受験の季節。受験生たちは人生を左右する試験に真摯に取り組んでいるようです。それを思い、今週は受験の神様、天神様(菅原道真)や梅にまつわる古美術品を出品しました。それぞれの作品に魅力があるのですが、その中でも伊万里焼の作品が一押し。図柄を見るとまさに「登竜門」、受験生たちが鯉から龍に変身する時期でもあります。昔、縁起を担いで本作のような皿を使っていたような…。我が家の受験の季節は終わったのですが、姪っ子たちが現在、受験しています。 試験に合格して春が来るのももう少し。受験生の健闘を祈っております!

口径 約17cm/高さ 約2cm

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越中丸山焼 色絵狂言小皿 京焼 染付馬文向付
[2023/02/05]

2017年頃から節分に恵方巻を食べるブームが起こり、それ以降、販売店の恵方巻大量廃棄が問題になりようになりました。最近は食品ロス削減推進の観点から恵方巻購入も予約制となり廃棄数は減少したようです。このような事をしながら日本は食料自給率が低いなどと言っているのですから本末転倒も甚だしい感じがします。恵方巻の起源についてはいろいろな説があるのですが、節分に特別な料理を食べて季節を感じるというのは昔からあったようです。2023年2月5日は「初午(はつうま)」。「初午」とは、2月の第1午の日に行われる稲荷神社のお祭りで、油揚げやいなり寿司などを神様にお供えします。「初午」に太陽活動を象徴する「午」が付くように、この日から衰えていた太陽活動が復活します。食物生産には太陽と水が欠かせないので、昔の農民たちは太陽が復活する、この日を待ち望んでいたはずです。節分や「初午」を終えると、季節は真冬から早春へ、梅の花が満開になるのもこの時期です。今も同じですが、日本人は季節を楽しむためにバレンタインデーやハロウィンなど外国の行事でさえ受け入れてきました。最近は「初午」よりもそちらの方が派手ですが、節分の豆まきや恵方巻を食べる伝統も守っているようです。ちなみに今日の我が家の夕食はきつねうどん。羅臼昆布と土佐の鰹節から作っただし汁がとてもおいしく絶品。「初午」の日にうどんもなかなか乙なものでした。

小皿:口径 約10.4cm、高さ 約6.9cm
向付:口径 約10.5cm、高さ 約6.9cm

御売約、ありがとうございました

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