blog

再興九谷焼 青手 たこ唐草 徳利
[2022/06/26]

毎日、暑い日が続きます。梅雨時なのに全く雨が降りません。このような時には熱中症対策が必須。水分補給とエアコンを有効活用してください。先週、古美術品の値段について文章を書きました。値段は需要と供給、売り手と買い手の価値の一致が必要。写真の徳利を例に考察すると、本作の場合、供給数が少ないので希少性が増し値段が上がるということになります。江戸時代、陶磁器の徳利はもともと供給が少なく(酒器は銅や錫製のちろり、漆器の酒次が主流)、高級品でした。理由は陶器の酒器を使う場が現在ほどなかったからです。江戸の住民は酒屋で通い徳利に酒を入れてもらい、それを家で飲んでいたので本作のようなお洒落な徳利は必要ありませんでした。また、当時のお金持ちは陶磁器の徳利よりも蒔絵などが施された漆器に魅力を感じていたようです。ですから、本作のような形の徳利を人々が使うようになったのは明治時代以降、特に昭和時代に入ってからです。九谷焼がある加賀藩は裕福で文化レベルが高かったので、幕末でも美しく凝った徳利を作る事ができました。仙遊洞では上記のような部分を加味して値段を決めていますが、最近、世間では生活用品の物価が上がって騒がしいようです。これからは、どの分野においても商品の価格設定は難しくなるような気がします。暑い夏に物価上昇、やれやれ…。

高さ 約18.5cm/胴径 約8.5cm

商品の購入をご希望の方はこちらから


伊万里焼 古印判 雨・かえで文 そば猪口
[2022/06/19]

関東地方は梅雨に入った後、暑い日、湿気の多い日、寒い日など、気温の変化が激しく、体力が奪われ、私の周りではお疲れモードの人が増えています。季節の変わり目はそれでなくても体温調整が難しいのに、今年は例年より温度調整に体力を使わなければならない。大変ですね。昔、稲作民の日本人は梅雨の季節を歓迎しました。稲作には水と太陽が絶対に必要、どちらが欠けても困ります。写真は古印判を使った染付の雨・かえで文そば猪口。凝った技法の魅力的な作品です。昔、本品のようなそば猪口が欲しかったのですが、高価で入手できなかったことを憶えています。バブルの時代は何でも高かった。現在、世間では為替が円安となって輸入物価が上昇しています。これまで日本経済はデフレで低価安定、生活のしやすい国でしたが一転、各分野で物価が上がっているようです。一方、古美術市場の方はというと、昔のように古美術品と物価の連動性が無くなったように見えます。今日、経済界では金融と物質の価格がせめぎ合っていますが、どの時代も物価の課題はなかなか解決できません。需要と供給、出会いで左右される価格とは一体、何なのか。美しさは変わらないのに価格は変動する。古美術の世界も経済は大いに関係しています。

口径 約7.2cm/高さ 約5.5cm

御売約、ありがとうございました

正院焼 色絵 こうもり・瓔珞・丸文 鉢
[2022/06/12]

関東は先週、梅雨入りしました。5月の真夏日から一転、曇り空が続きます。写真は能登半島にある正院焼で作られた色絵鉢。何といってもこの鉢の魅力はこうもりの表現にあります。こうもりの顔がとても面白く描かれています。こうもりは西洋では影のイメージがあるようですが、中国では「蝙蝠」と書き、発音が「変福」と同じなので「福に変わる」という縁起の良い存在です。地域によって動物の感じ方が違うのは面白いですね。コロナ禍が流行し始めた頃、新型コロナウイルス感染症は中華人民共和国雲南省墨江ハニ族自治県にある銅鉱山のコウモリが始祖ウイルスであるという説が流れていました。真偽ははっきりしませんが、中国人にとって縁起の良いこうもりなのに人に災いを及ぼす存在となったのでしょうか。そういえば、上海のロックダウンも解除されました。これから、夏はこうもりの季節。こうもりが「変福」をもたらしてくれればよいのですが……。ちなみに長崎にあるカステラの老舗「福砂屋」は商標にこうもりを使用しています。私が旅行で長崎の福砂屋に行ったのは、コロナ禍前の2019年秋。あれから2年間、国内旅行に行っていません。今年は旅行に行けそうなので、少しは「変福」になりそうですね。

口径 約21.5cm/高さ 約9.2cm

御売約、ありがとうございました

伊万里焼 色絵 花草文 平鉢
[2022/06/05]

先週、関東地方で大粒の雹が降りました。とても珍しい自然現象です。先月は寒暖の差が激しく、 地球温暖化の影響が顕著になってきたような気もします。昔は5月と言えば過ごしやすい季節でしたが、コロナウィルスの出現、真夏日の増加を含めて気候が変わってきているのでしょう。 写真の伊万里焼赤絵平鉢は江戸時代中期の作品。本作が作られた当時、エアコンもないのですが、日本は全体的に涼しかったようです。江戸時代の資料を読んでいると毎年、どこかで天災が起きていますが、本作が作られた宝暦時代はまだ呑気で災害数も少なく、天明の大飢饉時ほど被害は出ていません。そのせいか、宝暦様式の伊万里焼は元気な感じがします。個人的な感想ですが、本作からは若くて美しい女性のような感じを受けます。最近、ちょっと歳をとったせいか、本作のような元気な作品がまぶしく見えます。世相が厳しいと過剰な装飾や簡素なデザインになりがちですが、宝暦様式を見ると健康的。時代も人も活気に満ちていたのでしょう。これから私自身、侘びた世界に入って行く時期です。たまに本作のようなまぶしい作品に魅了されるのも刺激的。楽しいですね。

口径 約25.3cm/高さ 約5cm

御売約、ありがとうございました

上へ戻る