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李朝 とぼけた虎
[2021/08/29]

この木彫は今から数十年前に購入した物です。購入当時、私はまだ骨董収集を始めたばかりで、古美術市場に出ている品物の何かも理解していませんでした。ですから、この作品を買った時は、素人が作った下手な猫の木彫作品と考えていました。それから数十年たった現在、「ああ、これは李朝の虎だったのだ」と最近気づいた次第です。数十年間骨董いじりをしていますが、本作と同じような木彫に出会ったことはないので、本当に珍品です。とぼけた表情が何とも言えず、長い間気に入って持っていたのですが、これが猫ではなく虎と気づいた記念に通信販売欄に出品しました。 眺めていると尻尾が渦巻き状になっています。渦巻きといえば、馬の目皿。本作を購入した当初は馬の目皿の模様を参考にして日本人が作ったのだと考えていました。しかし、本作の類例は日本には見当たりません。むしろ、李朝の民画に描かれている虎に似ている。数十年間、骨董屋をやって李朝の民画に接している間に、やっと正体をつかめたというわけです。馬の目の模様は永遠や台風を描いたと言われています。これから日本列島は台風の季節。今年、災害はもうたくさんなので、台風にはおとなしくしていてほしいですね。

高さ 約17.5cm/横幅 約11cm

御売約、ありがとうございました

九谷焼 染付 輪茶碗 5客
[2021/08/22]

お盆をはさんで日本列島は梅雨模様でした。今年はコロナ感染拡大の影響で帰省することができず、墓参りをしていないのでいつもの夏休みとは違った感じがします。最近、夜、近所を散歩していると虫の声が聞こえ、初秋の気配も感じます。夏は気づかぬうちに去ってしまいました。写真は九谷焼のコロ茶碗。色絵の作業を止めた赤前の作品です。未完成ですが、古美術市場ではこの手の作品を見かけます。この茶碗を見ていると、夏の暑い時期に作ったので暖色系の色を施さなかったのかなと想像できます。現在はエアコンがあるので空調で涼しさをコントロールできますが、昔の作業場は熱いですから、染付だけの方が涼しく感じる。作者は夏向きに本作を赤前で作業の手を止めたのではないでしょうか。本作を見ていて、夏空の入道雲のようだなと思いました。やっぱり熱い夏、青い空には入道雲が似合う。来年は夏らしい夏を迎えたいものです。

口径 約9cm/高さ 約5.2cm

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伊万里焼 色絵 貝文 七寸鉢
[2021/08/15]

8月13日から日本列島に線状降水帯が停滞し、各地で大雨が降っています。特に九州北部では例年以上の被害をもたらしていますが、雨は広範囲に渡って降っていますので、大雨が降っている地方にお住まいの方はご注意ください。写真は伊万里焼色絵貝文七寸鉢。コロナ禍騒ぎが起きる2年前、私は長崎、佐賀地方を旅しました。今回、大雨が降り被害が出ている地方です。暑い夏を想定して、本作を出品したのですが季節は梅雨に逆戻りした感じ。2年前の長崎、佐賀旅行が楽しかったので、本品を出品したのですが、このようなことになるとは…。異様気象の原因は二酸化炭素の排出による地球温暖化と言われています。二酸化炭素の大量排出が始まったのは、イギリスが産業革命を取り入れた18世紀後半。本品が有田で作られた時代です。それから200年、近年、各国は脱炭素対策を取ろうとしていますが、本気でそれに取り組まないと地球は人類が生存できる環境でなくなるかもしれません。コロナ感染者の拡大、異常気象などの問題が起きると、何もない日常生活の大切さを感じます。人類は近代を支配した主義や理論の考え方を変える時期かもしれません。問題を解決するには人類と自然の共生以外にはない。リサイクルが主流だった江戸時代、日本人はもう一度、江戸時代人の価値観、シンプルな生き方を思い出す時期かもしれません。

口径 約21cm/高さ 約5.3cm

御売約、ありがとうございました

木彫 ヨルバ族 男性像
[2021/08/08]

8月8日(日)、何かと課題が多かった「東京オリンピック2020」が終わりました。開催が危ぶまれ、無観客で行われた大会でしたが、日本人アスリートの活躍である種の感動を残した大会でした。これで明日からオリンピック騒ぎも落ち着きそうです。写真は木彫ヨルバ族男性像。ヨルバ族はナイジェリア南西部、ベナン東部,トーゴ北部に住む民族で、染織工芸や木彫、ブロンズ・テラコッタ彫刻などに優れ、アフリカ有数の芸術民族としても知られています。今回の「東京オリンピック」を見ると、アフリカや他国に住む黒人のアスリートたちの活躍が目立った大会でした。彼らは毎回、特に陸上で大活躍します。美術でもバスキア人気など、スポーツとアートの分野で黒人たちの活躍には目を見張るものがあります。一方、アメリカでの「ブラック・ライヴズ・マター」の人種差別、暴力など多くの問題が山積しています。最近、日本に住む黒人の方の数も増えてきました。まだまだ日本人愛好家の少ないアフリカン・アート。和風も良いのですが、エスニックにも目を向けると新たな世界が広がります。

高さ 約27cm/台座横幅 約10cm

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松村景文・呉春 桔梗・蝶図
[2021/08/01]

東京オリンピックが開幕、日本人選手は柔道などの種目で金メダルを大量に獲得、大いに盛り上がっています。オリンピックの開催には紆余曲折ありましたが、始まった限りは無事に終え、それが楽しい思い出として残ってほしいですね。写真は松村景文と呉春の桔梗図。桔梗と言えば、思い出すのが「本能寺の変」を起こした明智光秀の家紋「水色桔梗」。昨年、NHK大河ドラマ「麒麟が来る」が放映され、番組の中で何度も桔梗文を見ました。「麒麟が来る」はコロナ禍の影響を受け、一時中断しましたが、大河ドラマとしては近年稀に見る秀作、番組中、旗印となった桔梗文も印象的でした。先週、オリンピック競技の合間をぬって「麒麟が来る」の総集編が再放送されました。それを見て、桔梗の軸があることを思い出し、「通信販売」欄に出品しました。放送が終了して半年が経ち、ワクチン接種も進んでいますが、状況を見るとデルタ株の出現でコロナ禍は混迷の度合いを増しているように感じます。この軸を眺めるたびに、コロナ禍で放映されていた「麒麟が来る」や「東京オリンピック2020」のことを思い出すのかなと想像します。思い出の宿る可能性のある古美術品収集、これも一興。 将来、この軸を眺めるときは、「この頃は大変な時代だったなぁ」と、早く思い出にできる日が来てほしいものです。



本紙サイズ 縦横 約113.5cm×31cm
軸サイズ 縦横 約194cm×40cm

御売約、ありがとうございました

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