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伊万里焼 南蛮人・ラクダ文 鉢
[2021/07/25]

7月23日(金)、1年間延期された東京オリンピックが開幕しました。ほとんどの競技は無観客開催ですが、コロナ禍では仕方ないと思います。経済的側面はさておき、この大会は社会学的に見るとコロナ禍で行われた奇異な大会として歴史に残ると思います。東京オリンピックの開催には賛否両論ありましたが、始まった限りは日本人アスリートの活躍に期待したいものです。写真は伊万里焼染付南蛮人・ラクダ文鉢。「享保の改革」で江戸幕府がキリスト教関係以外の書物の輸入を緩和すると18世紀後半、各地で蘭学が盛んとなり、伊万里焼の図柄に南蛮人の姿を描いた作品が製作されるようになりました。当時、日本は鎖国をしていたのですが、庶民は洋書や本作のような図柄から外国を感じていたようです。本作が製作されて約200年が経ちますが、この間、日本人は欧米化によって近代化を成し遂げました。現在、東京ではたくさんの外国人が働いており、マンガなどのジャパン・サブカルチャーも世界的人気があります。東京オリンピックの開会式、選手入場ではゲームの音楽が使用され話題になりましたが、そのようなサブカルチャーの基礎は、本作が作られた化政文化時代に作られたと考えられます。本作に描かれた南蛮人、どこかマンガみたいですよね。日本人が200年間、培ってきたマンガが現在、世界を魅了しているようです。

口径 約15.5cm/高さ 約8cm

御売約、ありがとうございました

網田焼 白磁 茶碗
[2021/07/18]

7月16日(金)、関東地方で梅雨明けが発表されました。今年の梅雨は1カ月間と例年よりも短い梅雨だったようですが、雨が毎日続いたので、実感は長い梅雨だったような感じがします。梅雨が終わると暑い夏がやってきました。夜、寝ている時の温度が梅雨時とは全く違う。昼間も暑いので、みさなん、熱中症には注意してください。 夏の食器といえば染付、白磁、ガラス。涼感を演出できる食器が活躍する季節となります。伊万里焼の氷裂文などは冬ではなく夏に使用する絵柄として製作されました。絵で涼感を味わうのは、日本人独特の感性だと思います。写真は熊本藩の御用窯だった網田焼の白磁茶碗。隣の薩摩藩では白磁は藩主の親族しか使用できませんでした。それを熊本藩が意識して、本作のような白磁を網田窯に作らせたのかもしれません。薩摩焼の白磁はちょっとクリーム色がかっていますが、網田焼は青みを帯びた白磁。白磁といえば李朝ですが、江戸時代、九州でも様々な白磁が作られたことがわかります。御用窯の白磁は薩摩焼と思っていたのですが、網田焼の白磁もなかなかのものです。最近は冷茶用の抹茶も購入できるので、本品のような白磁お茶碗を使えば涼感を楽しむことができるでしょう。それにガラス皿に盛った夏果を添えると最高。美味しい夏が味わえそうです。

口径 約11.5cm/高さ 約7.8cm

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a平焼 瑠璃釉 陽刻花文 鉢
[2021/07/11]

今週も引き続き雨模様ですが、来週には梅雨明けの予報が出ているので、雨の日ももう少しで終わりそう。梅雨が明けると、こんどは猛暑の日々。目まぐるしく変わる最近の日本の気候です。 夏といえば骨董ではガラスと染付の季節。エアコンのなかった時代、日本人は目で涼をとっていたようです。写真はa平焼瑠璃釉陽刻花文鉢。色合いからすると、本作も夏用に作られたと考えられます。これまで多くのa平焼作品を扱ってきましたが、本作のような作品がこの世に存在するとは意外。思ってみなかった作品との出合いがあるのも骨董の面白さです。本作の値段は高いか安いか。ガラスの氷コップであれば多くの作品があるので相場観を形成できますが、珍品では相場観はできません。珍しさや品質を加味して値段を決めています。でも、本作の場合、珍しさが勝る作品。本当に珍品ですね。珍品の面白さは慣れた目線を解してくれるところ。本作も見ていると目から鱗です。

高さ 約14.5cm/胴径 約19.2cm

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峯明 山水図
[2021/07/04]

先週とは雨の降り方がかわり、ここ数日間は関東地方に大雨が降りました。それが原因となって昨日(3日)、静岡県熱海市の伊豆山地区で土石流が発生しました。家々をなぎ倒す土石流の破壊力の凄まじさは何度もニュースで放映されました。多くの方の安否がわかっていないようですが、被害者が少ないことを願っています。 写真は大正時代前後に描かれた水墨山水図。熱海市伊豆山地区の土石流を見て、この軸を思い出しました。この描かれた時代、日本人はまだ山水と一緒に暮らしていました。それが戦後、宅地開発によって豹変します。人は山を削り、川の流れを変え、自然の景色を変えてしまいました。良し悪しは不明ですが、確かなことは現在の日本人は自然に対する畏怖を忘れ去ったということです。自然に即して町づくりをすれば問題も起こらないでしょうが、かつての沼地や谷合いに家を建てると、災害は拡大するばかり。本軸に描かれた感覚、忘れてはいけないものだと思うのですが…。一度、開発を始めたらそれを止めることはできないのでしょうか。自然への畏怖を忘れる限り、残念ですがこれからも災害は続くような気がします。

軸サイズ 横約201cm×55.5cm

御売約、ありがとうございました

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