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熊倉順吉 掛け花
[2019/07/28]
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先週末、列島を台風が通過しました。この台風が去った後、どうやら日本に夏が来そうです。写真のあじさいを撮影したのは6月ですが、それからずっと雨が続いています。日照不足で野菜の値段が上がっているとか。天候は庶民の生活にも影響を及ぼします。あじさいの花を活けてる花器は、熊倉順吉の掛け花。熊倉順吉(1920〜1985年 京都生)は昭和時代を代表する陶芸家で、1957年、京都の前衛集団「走泥社」に参加、前半はシンプルなモダニズムの作品を、後半はエロチズム溢れるオブジェのような作品を制作して名声を博しました。
2020年のオリンピックまであと1年。ニュースを見ていたら、この掛け花が1964年前後に作られたことを思い出し、通販にアップしました。
形が聖火トーチ、色彩がオリンピックの大会旗に似ているので、もしかしたら熊倉がオリンピックの影響を受けて作ったのかもしれません。前回の東京オリンピックから55年が経ちますが、時代が変わればアートの様式も変わる。でも、この掛け花、今見てもおしゃれです。掛け花を観ていると、東京オリンピックの頃のアート感覚に思いを馳せることができます。楽しいですね。
長さ 約16.5cm/口径 約6.5cm |
大久保焼 染付 花漢詩文 徳利
[2019/07/21]
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最近、ずっと雨や曇り空が続いています。梅雨が明けるのは、まだ先な感じ。本来であるならば、海の日前後は夏空がまぶしく海開きの季節ですが、今年は晴れた空を忘れてしまいそうです。真夏になって家の中で涼を求める時は、染付やガラス作品を飾るのがよいでしょう。写真は新潟県の大久保焼の徳利。染付の水色が涼しそうです。この徳利の肩部には段があり、独特の形をしています。
でも、どこかでみたことあるような、と思いをめぐらしていると、大正時代に流行したさくらビール(1913年創業)の瓶を思い出しました。
越後にはガラス工場がなかったので、陶器でさくらビールを真似たのではないかと推測しています。この徳利が作られたのは、第1次世界大戦で成金景気だった時代。日本人はこの頃からモダンな生活を始めます。民芸品にもモダンさが加わりますが、逆にその頃から、柳宗悦そたちが民芸を起こします。柳の民芸運動は作家主義的ですが、写真の徳利は本当の民芸。最後の無作為の民芸と言ったところでしょうか。
高さ 約28.5cm/胴径 約18cm |
高倉観崖 金魚図
[2019/07/14]
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今年の7月上旬はいつもの年に比べて雨模様で、日照時間も短く、長い梅雨といった状態です。6月に入ると私の好きなカープも快進撃が止まり、黒星が重なっています。写真は高倉観涯(1884年〜1962年、大分市生)の「金魚図」。と、いっても赤い金魚ではなく黒出目金と呼ばれる金魚図です。最近、豊かになった中国人の間では金魚や錦鯉のブームらしく、1匹に数億円の高値の鯉もいるとか。中でも中国人が好む鯉は紅白の鯉だそうです。鯉に比べると金魚は庶民的ですが、やはり中国人は赤い出目金が好きらしいですね。黒い出目金も可愛いのに?
本紙サイズ 縦横 141cm×42.5cm |
第60回 「朝鮮半島の古美術・文化」が終了しました。
[2019/07/06]
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今回の講座は2014年2月に行った「朝鮮半島」の再現でした。5年前ぶりの講座ですが、時のたつのは早いですね。 骨董講座の内容はこちらから 骨董講座に興味のある方はこちらから |