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朝一圭鳳・浦田広香 秋図 軸 
[2018/11/18]

秋もだんだんと深まっているようです。吉祥寺にある井の頭公園を歩くと所々の木が色づいてますが、東京では紅葉の真っ盛りにはもう少し時間がかかりそうです。 写真の軸は秋の峡谷を描いた2題。 作者は山形市で大正から昭和時代に活躍した画家、朝一圭鳳と大正から昭和時代前期に帝展で活躍した浦田広香(1880年頃〜1956年、熊本生)。 2人は東北と九州の日本画家ですが、違う作家の軸を2本並べても違和感がないのは日本画家の秋に対する感性が同じだからでしょうか。 2本を一緒に床の間に飾ると、1本飾るのとは違った相乗効果であり、床の間に深山の秋の世界が広がります。 これらの軸を見ていると、実際に山に入らなくても紅葉を十分楽しむことができます。 世界に入り込むことができる軸が良い軸なのでしょう。作家の感性の中に秋が潜んでいるのですね。

御売約、ありがとうございました

秦 加彩 三足鼎
[2018/11/11]

少しづつ秋も深まり、北日本では紅葉の見ごろになっているようです。秋の公園の落ち葉の上を歩くとカサカサと音がします。 季節が変わると収取した骨董品の衣替えの季節。明るい物よりも枯れた感じの骨董が秋には似合います。 写真の作品は中国、秦時代の加彩三足鼎。発掘品なので土が付着し、乾いた感じがします。 表面に塗られた朱もどこか秋を感じさせてくれる渋めの作品です。 ところで30年前、仙遊洞は中国古陶磁の専門店でした。 改革開放が始まった1990年前後は香港に行けば今から思うとお宝がいっぱい、夢のような時代でした。 あれが中国古陶磁の収集期間の春ならば、品薄になった現在はコレクターにとっては秋の季節。 オークションには偽物ばかりが目立つようになり、なかなか本物に出合う機会も減りました。 それでもまめに探せば、まだ考古品の面白い物に出合えます。写真の鼎もその一つ。偽物の落ち葉の中から拾った作品です。 30年、中国物を扱っていて、この手の作品に出合ったのは初めてだったので嬉しかった! 自分の好きな品物に出合えた時の感動が古美術品収集の楽しみです。

高さ 約10.5cm/胴径 約17.5cm

御売約、ありがとうございました

第52回・骨董講座「キルト、パッチワーク、手仕事」が終了しました。
[2018/11/03]

西荻ワークショップ・アートウィーク中の骨董講座「キルト、パッチワーク、手仕事」が終了しました。 内容は日本人がどのように糸や布に関わってきたか、歴史と古美術との関係を踏まえながら話を進めました。 湿度の高い日本列島においては自然と一体化した通気性の高い衣服(織物)が好まれたようです。 骨董講座が終わった後、毎年11月に善福寺公園で行われている美術展「トロールの森」見学へ受講生の皆さんと一緒に行きました。 古美術とは違うジャンルの現代美術ですが、新旧に関わらず西荻アートの一端に触れられたと思います。その後、みんなで久しぶりの飲み会へ。 古美術趣味がある人と飲むお酒の味は格別です。骨董講座へ参加された受講生の皆様、お疲れさまでした。 次回の骨董講座はアンコール講座「漆器」についてお話いたします。お楽しみに。

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