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藍九谷 陽刻 山水文 五寸皿
[2018/09/30]

久しぶりに藍九谷の小皿を仕入れました。個人的には藍九谷よりも藍柿右衛門の作品の方が好きなのですが、この小皿に関しては強くひきつけられて購入した次第です。 伊万里焼の魅力は時期の肌合い(松竹梅の陽刻の抜きも良い)、藍の色、図柄の良さですが、この小皿は三拍子そろっています。 小さいのに存在感があり、それが写真では伝わらないのが残念です。店の棚に飾ってあるのですが、17世紀中頃の雰囲気がとてもよく出ている。 時代は安定期を迎えた江戸前期、日本人の生活も安定し、工芸にも力を注げるようになったのでしょう。 戦争よりも物づくりに励む方が日本人は幸せ。藍九谷の美しさは日本人の和風の感性を十分に表現する作品となっています。

口径 約14.2cm/高さ 約2cm

御売約、ありがとうございました

小杉焼展 射水市小杉展示館 (2018年9月20日〜10月8日)
[2018/09/23]

今年の6月、仙遊洞のホームページ通信販売欄にアップして越中瀬戸の鴨徳利1対が売れました。 購入してくださった方は射水市の小杉焼窯があった地域に住む方です。 その方から越中瀬戸焼の鴨徳利を購入してくださった後、「越中瀬戸の鴨徳利は名品でした」という丁寧なお礼やメールをいただき鴨徳利に関して貴重なお話を聞かせていただきました。 あれから3か月後、店宛てに小杉焼展(射水市小杉展示館)のチラシや「ひょうたんからかも越中小杉焼」の冊子が届きました。 同封の冊子は小杉焼の研究をするには貴重な資料です。
古美術商、通信販売をしていると全国各地のコレクターと出会うことができ、貴重な意見を聞くことができます。これぞ、古美術商の冥利につきると言ったところでしょうか。 それにしても地方窯の収集や研究、本当に楽しいですね。 射水市周辺にお住いの方、興味があれば「小杉焼展」に行ってみてください。


西荻ワークショップ・アートマップ
[2018/09/16]

仙遊洞は5月から「西荻ワークショップ・アートマップ」の製作を始めました。 最初にアンケート調査を行い参加希望の店舗を募集し、7月からマップデザインを作成、記事原稿の入稿を行い、先週、マップが完成しました。 私が西荻に来て30年、ここまでよくやってきたと思い、「西荻ワークショップ・アートマップ」の製作を思い立ちました。 製作に4か月もかかり多くの時間と労力を費やしたのですが、完成したマップを見ると感慨もひとしおです。 辛いこともあったのですが、協力してくださった店舗の方々の助力でマップを完成させることができました。 実際にマップを作って見ると西荻が面白い街であることが再発見できました。
ところで製作期間、通信販売欄にアップする商品数が減ったり、店の休日が増えたり、お客様に御迷惑をかけてしまいました。 お詫び申し上げます。11月初旬には「西荻ワークショップ・アートウィーク」が開催されます。秋日和、西荻においで下さいませ。
また、「西荻ワークショップ・アートマップ」を見かけたら、古美術仙遊洞を思い出してください。よろしくお願いいたします。
ホームページアドレス(nishiogi-ws-art.jimdofree.com)か「西荻ワークショップ・アートマップ」を入力すると「西荻ワークショップ・アートマップ」ホームページ、ユーチューブを見ることができます。


砥部焼 北川毛窯 土灰釉 徳利
[2018/09/09]

9月9日は「重陽の節句」ですが、また暑い日が続いています。先週は台風21号が関西に上陸し、神戸や大阪に甚大な被害を及ぼしました。 大変だなと思ったのもつかの間、今度は北海道南西部で震度7の地震、日本列島は踏んだり蹴ったりの状況となりました。 思い起こせば7月の猛暑、西日本豪雨から今まで自然災害の脅威を思い知らせれる夏でした。
写真は砥部焼北川毛窯の徳利。19世紀初頭、磁器製法が日本各地に広まる前の作品です。 この徳利を見ているとまだ日本に地方があった時代を思い起こさせます。この徳利は伊万里焼というよりは小鹿田焼、小石原焼民芸に似ている。 温かい李朝の徳利のふくらみも感じさせてくれます。 砥部焼は西日本豪雨に遭った愛媛県にある窯ですが、昔の人は自然災害に遭ったとしても、このような徳利の温かさを感じて生きる勇気を取り戻したのかもしれません。 この夏は大変でしたが、自然災害は常に日本人と共にあります。災害に遭われた地方の方、これからも再生への希望を持って生きてください。

高さ 約28.5cm/胴径 約21.5cm

御売約、ありがとうございました

藍柿右衛門 ナスビ花唐草文 向付
[2018/09/02]

最近、西荻はアンティークな町というよりも、おしゃれな雑貨の町として認識されつつあります。 「住みたい町ランキング」では神楽坂(90位)の上を行く89位。私としてはいつから西荻がそのように認識されるようになったの不明です。 どちらかというと年配の私は、若者の軽い感じを好む雑貨感覚は、デザインがどれも近代アートのコピーに見えてしまうのでちょっと苦手。 写真のような藍柿右衛門の作品に出合ってしまうと「やっぱり、美術品は良いな」と感じ、おしゃれな感覚など、どうでもよくなってしまいます。
趣味の問題と言えばそれまでですが、私は西荻がおしゃれな町に変身するよりもアンティークな大人の町でいてほしい。 「このような食器を使うのは爺臭い」と言われても、やっぱり私はこっちです。何せ私自身がアンティークの領域に入っているのですから……。 ところで、本品の絵付けはナスビですが、季節的にはサンマの焼きナスの季節。食欲がぐっと増しそう!

口径 約14.5cm/高さ 約5.3cm

御売約、ありがとうございました

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