blog   2016年5月

伊万里焼 福寿幾何学文 八角向付5客 
[2016/05/29]

5月に入って過ごしやすい日が続いています。散歩をするのも爽やかで楽しい季節ですが、時々、暑い日があり、今年は猛暑になるのではないかと心配です。 皆様、気温の高低があるので、体調管理に気をつけてください。
最近、季節が変わったので涼感のある食事をしたい気分になります。 そのような時は、伊万里焼染付の食器を使用するのが最適(ガラス器の方が涼感がありますが、使用するには少し早いですね)。 従来なら、この時期は梅雨ですが、まだ梅雨入り宣言は出ていません。写真のようなう食器に刺身やなますなどを入れると、おいしそうに見えます。 日本酒も燗から冷に代わる時期。和食には季節感があるので、季節に合わせて食器を選んで使うのも骨董の楽しみの一つです。
来週は骨董講座で「伊万里焼」を開催します。伊万里焼の魅力を再認識できるかもしれません。興味がある方はご参加ください。

高さ 約7cm/口径 約10cm〜11cm

御売約、ありがとうございました

オールドバカラ リド(LIDO) デキャンタ・グラスセット 
[2016/05/22]

最近、映画を見ることに凝っています。若い時期はたくさんの映画を見ていたのですが、50代になって映画に興味が無くなっていました。 それが突然、見返す気分になったのです。
小津安二郎、S・キューブリック、ベルイマンなどの映画を見ているのですが、ルキノ・ビスコンティの「ベニスに死す(1971年)」を見て、写真のバカラを思い出し、今週、アップしました。 このバカラはヴェネツィアガラスの影響を受けて作られた「リド」。リドは、ヴェネチア・グラスの生産地リド島のことです。 当時、リド島はアール・デコ建築のホテルが立ち並ぶ高級リゾート地。 1930年、世界最古の国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭も始まっています(1950年、黒澤明監督の「羅生門」が、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞)。 その影響を受けて、作られたのが「リド」シリーズです。高級感が溢れていますね。
このようなガラス器で冷えた白ワインを飲むと最高でしょう。映画と骨董、たまには贅沢な時間を楽しむも良いですね。

※そうだ「羅生門」で、アラン・レネの「去年マリエンバードで」を思い出した。これから、見よう。

御売約、ありがとうございました

第28回・骨董講座が終了しました   
[2016/05/14]

下川昭夫先生(首都大学東京心理学部教授)を迎えて、「古美術品収集カウンセリング」を行いました。 下川先生の骨董講座登場も3回目、時の経つのは早いものです。
今回は、「人それぞれの時代から、共感できる骨董の時代へ」とテーマを決めて話をしました。 受講生の皆様がなぜ骨董に興味を持ったかの話も聞けたし、なぜ、精神疾患が起きるかなど、心理学の話も聞けて盛りだくさんで面白かったですね。 そもそも、骨董屋で心理学の話を聞けること自体が不思議です。受講生の皆様、お疲れ様、下川先生、ありがとうございました。

骨董講座の内容はこちらからこちらから

骨董講座に興味のある方はこちらから


伊万里焼 色絵 赤玉文 茶碗 (江戸時代)
[2016/05/08]

ゴールデンウイークも終わりました。期間中、晴れた日は夏日のような日もありましたが、緑の中を散歩すると気持ち好い日もあり、なかなかの休日でした。
5月26日〜27日にかけて、「伊勢志摩サミット」で先進国の首脳会議があります。 その後、アメリカのオバマ大統領が広島訪問を行うと連日、テレビが報道しています。
写真の「伊万里焼 色絵 赤玉文 茶碗」の赤玉は、実は太陽を描いた文様です。 日本人は昔から初日の出など、水平線から太陽が昇るのを拝む信仰があります。今回、サミットが行われる伊勢は、その太陽信仰の中心地です。 日本人が太陽信仰を行った理由は自然環境や霊魂の再生を願ったからです。仏教徒は輪廻を信じていますが、水平線から昇る太陽は、その象徴でした。 縄文土器にも、女性器から赤ちゃんがこの世に出てくる瞬間を張り付けたものもあります。卑弥呼も銅鏡を太陽として拝んでいました。
この写真の茶碗はお正月用に作られたものと考えられますが、毎日、太陽は昇っているので、再生したい気持ちになった時は、このような茶碗を使って食事をすると良いでしょう。 新たな太陽が昇るような感じがして新鮮な気持ちになれると思います。さて、ゴールデンウイークも終わったので、新鮮な気持ちで頑張ろう!


口径 約11.2cm/蓋込みの高さ 約7cm

御売約、ありがとうございました


青ガラス プレス・円錐形ボンボン入れ 
[2016/05/01]

爽やかな快晴の五月、過ごしやすい季節になりました。 五月晴れは写真の「青ガラス プレス・円錐形ボンボン入れ」のように青く澄んでいます。
最近、20世紀美術の本を読み返しているのですが、年齢を重ねたせいか、若い時分に読んだ作品の印象と随分、印象が違います。 経験を積んだせいか、以前よりも美術運動や作品への理解が深まったような気がします。 今回、「青ガラス プレス・円錐形ボンボン入れ」をブログに取り上げたのは、 これを見ていてマルセル・デュシャン(1887年〜1968年、フランス生)の作品、 「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(1915年〜1923年)」を思い出したからです。 この作品は通称、大ガラスと呼ばれる未完の大作で、後世の美術界に大きな影響を与えました。
この作品のモチーフ(円錐形)が今回、取り上げたボンボン入れの形とそっくり。 製作年代もボンボン入れが作られたアール・デコの時代と一致します。時代を代表する形というものがあるのですね。 古美術品から時代を感じ、有名な美術品との共通点を見つける。それも古美術と付き合う楽しみの一つです。 身近な所にもアートな古美術品が転がっているのですね。

高さ 約20cm/口径 約13cm

御売約、ありがとうございました

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