blog   2015年6月

シルバーオーバーレイ 唐草文 ガラス・トレー  
[2015/06/28]

沖縄は梅雨明けしましたが本州は梅雨の真っただ中、関東地方も雨の日が多かったようです。 先週、水辺の小道を散策していると、にわか雨に遭遇、近くにあった木で雨宿りをしました。そこから小さな森が見ていると、トトロになったような気分。 いつもと違う風景に出合って、たまに、にわか雨に降られるのも好いものでした。

写真はイギリス・ビクトリア朝の、ガラスに銀を巻きつけるオーバレイ技法で製作されたアールヌーボー様式の唐草ガラストレー。 アールヌーボーはフランス発祥だと考えられがちですが、以外にもイギリス発祥です。それをアーツ・アンド・クラフト運動として先導したのがウイリアム・モリス。 植物好きイギリス人は1年中、草花を町中に植えていますが、中でも6月は花の美しい季節。目を閉じると、コッツウォルズで見た色とりどりの花の風景が浮かびます。 空で小鳥がさえずっていたな〜。
これから暑い夏が来ますが、ガラス作品を生活に取り入れると、より季節感を感じることができるでしょう。それが古美術品とつき合う面白さ。楽しいですね。

御売約、ありがとうございました


カロン窯(タイ) 花草文平鉢  
[2015/06/21]

日本列島は梅雨模様。九州では記録的な雨が降りました。 先週、NHK・BSで「迫りくる気候変動の脅威」が放送され、それを見ていると地球の環境は随分と変わってきたようです。 歴史を考察すると、地球の環境など変化するのが当たり前。 巨大な自然の前で何を今さらと思いますが、いつまでたっても人間は自然を支配できるという儚い幻想にすがりたいようです。
写真は600年前のシャム(タイ)の平鉢。のびやかに描かれた見込みの花草を見ていると、職人が自然の生命力を人が感じて陶器に写したことがわかります。 日本で言うと室町時代。明が安定していたこ時代、周辺の国の人々は意外に平和を楽しんでいたようです。 ちなみに日本は禅宗の僧侶たちが、薬草を日本に持ち込んで栽培していた時代。

ところで、近年はエスニック・ブーム。昭和時代、東南アジアといえば後進国的なイメージがありましたが、今では輸入雑貨、食材、レストランも回りにあふれています。 年配の方はパクチー(コリアンダー)が苦手ですが、若い人たちは大好き。だから、このような平鉢にエスニック料理を盛って食べることには抵抗感がないようです。 一昔前、発掘した唐津の陶片に料理も盛ることが流行しましたが、今度はエスニック料理にも挑戦されてはいかがでしょう? 違った意味で、中世を楽しめると思います。

御売約、ありがとうございました

大人計画 不倫探偵  
[2015/06/14]

先週の金曜日、友人の近藤公園君が出演している「不倫探偵」を観に行ってきました。
「エグイですよ」と近藤君に言われていたのですが、本当にエグイ内容でした。大人計画は皆様がご存じのように人気のある劇団。一昨年の朝ドラ「あまちゃん」は大人計画の俳優陣が総出演していました。
主演は松尾スズキさんですが、8人の俳優陣の個性は凄かった。個性で成立する舞台とは、これだ。

翌日、店内を見ていると「品揃えは大人計画の俳優陣に近いな」。ブランド品よりも個性を重んじる品揃え。
私は巷にあふれる線の細い、力のない模倣品よりも、オリジナル作品の持つ力強さが好きです。久しぶりに舞台を見て、美術品の持つ個性について考えた一日でした。

大人計画「不倫探偵」に興味のある方はこちらから


第19回・骨董講座が終了しました  
[2015/06/06]

今回の骨董講座は「古美術と経済学」。明治維新以降、日本人がどのように古美術品に接し、購入してきたかをお話しさせていただきました。 日本は経済大国ですが、美術品の取引は消極的。その原因がどこにあるか、それをどのように解決すれば良いか、古美術商の視点で講義しました。 参加者は6名。私が日ごろ憂慮していたことですが、講座内容はいかがだったでしょう?

来月は今年最後の「古美術とメディア」です。興味のある方は、是非、ご参加ください。

東京アートフェア2015

骨董講座の内容はこちらから

骨董講座に興味のある方はこちらから


上へ戻る