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大阪万博開幕から1年
[2026/04/18]

桜の季節も終わり、木々の緑が目立つ季節となりました。散歩をするのも心地よく春の陽気を楽しんでいます。
日本の陶芸で緑色を使った陶芸といえば織部焼と青手九谷。桃山から江戸時代前期に製作された作品です。織部焼は茶人の古田織部が謀反の疑いをかけられ切腹した後、廃れてしまいますが、それに代わって登場したのが青手九谷作品です。一般的に江戸時代前期の青手九谷は現在の石川県で製作されたと考えられていましたが、窯場発掘が進み、現在では有田が青手九谷の生産地と考えられています。このことについては以前、骨董講座で話をしたのですが、私の推測では清に攻められた明王朝の配下である鄭成功が戦争の資金を稼ぐために景徳鎮の陶工を連れて九州に渡来、青手九谷の製作にかかわったというものです。それまで日本には色絵がなかったので、青手九谷の製作を日本人陶工だけで担ったと考えるのは無理があります。また、鄭成功の属した明王朝は明三彩と呼ばれる作品を数多く作っています。

写真は、江戸時代後期に作られた青手九谷松山窯の山水文鉢。再興九谷の流れを汲む作品です。その技術が日本に伝播して青手九谷が誕生したのでしょう。江戸時代後期に作られた再興九谷は石川県で製作されたので、九谷焼といえば石川県の焼物と考えられるようになりました。その伝統は今でも引き継がれ、青手といえば九谷焼の代名詞になっています。
ちなみに、同じ緑釉を使った織部焼は茶道を起源にした焼物なので伝統を重んじ、現在も様式を変更していません、一方、九谷焼は時代ごとに様式を変化させ、最近ではマンガ「ドラえもん」とコラボしたさ焼物を開発しています。古美術ファンは江戸時代後期の青手九谷に目を向けますが、子供たちが欲しいのはドラえもんの青手九谷でしょう。ちなみに、ドラえもん九谷も150年経てば立派な骨董品。古美術品は時が作るものなのですね。

口径 約19.2cm/高さ 約8.3cm

御売約、ありがとうございました

大阪万博開幕から1年
[2026/04/11]

東京では花見の季節も終わり、桜の枝に新緑が芽生えています。桜の開花から新緑の芽吹きまで2週間、あっという間に季節が変わりました。
写真は瀬戸焼の染付「大阪川口」のなます皿。今回、この作品のブログを書く気になったのは昨年、大阪で開催された万博(2025年4月13日開幕)を思い出したからです。大阪万博に行ったのは4月26日、開幕してから2週間後です。万博会場を廻ったのは1日だけですが、2日間、大阪見物をしました。20年ぶりの大阪の街は様子が大きく変わっていました。驚いたのは、地下鉄の美しさと心斎橋の外国人観光客の多さ。大阪の地下鉄は東京の地下鉄よりもきれいです。また、心斎橋筋の外人の多さは東京の原宿のようでした。
あれから1年、世界の状況は大きく変わりました。現在、アメリカ、イスラエルとイランの戦争は世界に大きな衝撃を与えています。大阪万博でサウジアラビア館やアラブ首長国連邦館、オマーン館など、イスラム諸国の展示館を全部見た私としてはそれらの国が今回の戦争に巻き込まれているのを見ると心が痛みます。1年前、日本は平和でしたね。

写真の作品が作られたのは幕末期、写真がまだ普及していなかった頃の作品です。浮世絵や古美術品に描かれた町並みが当時の雰囲気を伝えてくれます。漢詩が添えられているのが江戸時代の作品らしいですね。あれから150年、大坂の町も戦争などで壊滅した時期もありましたが、現在は美しい街に生まれ変わっています。また、遊びに行きたいな。

口径 約17cm/高さ 約4cm

御売約、ありがとうございました

「すみれ セプテンバー・ラブ」の時代
[2026/04/04]

写真は、オールドノリタケすみれ文の双耳花瓶。東京の桜は散り始めたとはいえ、東北の桜はこれからが本番。毎年、この時期の主役は桜ですが今回は桜ではなく、すみれの話。桜とすみれは開花期が同じですが、すみれはあまり話題になりません。
私の大学時代、岩崎宏美の「すみれ色の涙(1981年)」と一風堂の「すみれ セプテンバー・ラブ(1982年)」が流行歌としてヒットしました。その頃、私は美術大学に通ってアート三昧の楽しい日々、まさに人生の春です。大学2年の秋に「すみれ セプテンバー・ラブ」が発売されたのですが、それを聞いた時のことは今でも覚えています。「すみれ セプテンバー・ラブ」はカネボウのすみれ色のリップを秋に売るためのイメージソングです。お洒落な一風堂の土屋昌巳とデザイナーズ・ブランドが相まって「すみれ セプテンバー・ラブ」は時代を代表する曲(TBSベストテンに9週に渡ってランクイン)となります。デザイナーズ・ブランドが全盛で、ワイズにコム・デ・ギャルソン、ビギなど美大の友人たちがお洒落な格好をして大学や町を闊歩していました。
一方、岩崎宏美が歌った「すみれ色の涙」は、ジャッキー吉川とブルー・コメッツが1968年に歌った曲のリバイバル。この曲で岩崎は1981年の日本レコード大賞最優秀歌唱賞を獲得しています。ちなみにその頃はバブル経済の前。まだ、経済優先のバカ騒ぎ感のない、感性や感覚を開放することで自己顕示ができる楽しい時代でした。
ところで、2025年に入ってAI関連の株価や金の価格が上がり、世界は再びバブルの様相を示しています。人々はブランド品に目を向け、光り輝く物を求めています。ビンテージ流行の世相を見ていると、古美術品は満開の桜の下でひっそりと咲いているすみれの花のようです。派手さはないけれど、すみれは可愛いですね。

高さ 約18.5cm/横幅 約14.3cm

購入をご希望の方はこちらから

https://www.discogs.com/ja/release/5525796-Ippu-Do-%E4%B8%80%E9%A2%A8%E5%A0%82-%E3%81%99%E3%81%BF%E3%82%8C-September-Love/image/SW1hZ2U6MjgwOTc5ODg=


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