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伊万里焼 染付 みかんの木/しだれ桜 そば猪口 2個
[2025/01/18]

1月上旬に日本列島を襲った寒波も少しは和らぎ、以前のような緊張状態はなくなりました。しかし、インフルエンザは相変わらず大流行しており、落ち着いた生活を取り戻すにはまだ時間がかかりそうです。
東京の上野公園では1月10日(金)〜13日(月)まで「広島ふるさと祭り2025」が開催されました。広島の名産を紹介するイベントですが、人出も多く出てにぎわったようです。

広島といえば牡蠣とお好み焼きですが、近年はレモン、牛肉の部位コウネも人気があります。私が子供のころにはなかった名産品です。
小学生だった頃、冬の遊びといえばミカン狩り。友人たちと海軍兵学校のあった江田島に渡って箱いっぱいのみかんを採っていたことを思い出します。みかんといえば愛媛県、和歌山県、静岡県が有名ですが、先日、NHKの「大追跡グローバルヒストリー 幕末イギリス密航!謎のサムライチームを追う」という番組で、幕末期にイギリスで「SATUMA」という名前のみかんが流行していたという内容を放送していました。薩英戦争が終わった時、薩摩藩がイギリス艦隊にミカンを送ったのが「SATUMA」のルーツだそうです。そのミカンは現在、オレンジとは違う種類のかんきつ類として世界中で人気を博しています。

写真のそば猪口は染付の「みかんの木」です。江戸時代後期の作品ですが、当時から日本人はみかんが好きだったようで、そば猪口の図柄に採用しています。最近、みかんは外国産の珍しい果物に押されて地味な存在になっていますが、やはり冬のミカンは美味しい。広島から送ってもらったみかんを食べながら楽しい冬を過ごしています。

(左)口径 約7.7cm/高さ 約6cm
(右)口径 約7.7cm/高さ 約5.7cm

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https://www.photo-ac.com/main/detail/31472839/#goog_rewarded


伊万里焼 吉原花魁図 大皿、豊泉 娘図 軸
[2025/01/11]

1月5日(日)、新しいNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」が始まりました。1回目を見たのですが、これが実に面白い。「光る君へ」ロスを感じることもなく、新シリーズに魅了されました。これから1年間、毎週、18世紀後半の江戸文化に出会えると思うと胸がわくわくします。
写真は「伊万里焼 染付 吉原花魁図 大皿」と「豊泉銘 娘図軸」。2作品とも若い女性が恋人に思いを馳せる図を作品化したものです。伊万里焼では明治の文明開化を描いた作品群が製作されていますが名所を描いた磁器作品は珍しく、本作を見ると明治時代になっても吉原は名所だったことをうかがうことができます。
もう一つの「豊泉銘 娘図軸」は若い女性が若い男性の描かれた本を手に持っている場面を描いた作品です。現在でいうところのアイドル集でしょうか。「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎は江戸の出版界をリードしたアイドルブームの火付け役ですが、有能なプロデューサーは若い男女の関心事を察知する能力にたけていたようです。ちなみに、最近、外国ではジャポニズムが大流行。アニメを始め、J-POP、料理、イベントなど、様々な日本文化が外国人を魅了しています。古美術界も同様、日本の古い美術品に関心を持つ外国人も増えています。今回のブームを見ていると日本文化の奥行、多様性の豊かさを感じることができます。このような現象は日本人が自分たちの文化を再発見するきっかけになるかもしれませんね。

大皿の口径 約46.5cm/高さ 約6.5cm
掛軸の縦横 115cm×56cm

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掛軸 御売約、ありがとうございました


2025年、明けましておめでとうございます
[2025/01/04]

「ハレ」の正月に似合う古美術品のデザインといえば松竹梅、牡丹などの吉祥文です。松竹梅文は無難なデザインですが、古美術品は手作り感が強いので職人の気分によって雰囲気が変わります。写真のそば猪口などはその典型。同じデザインですが筆使いも呉須の状態も違うので異なった作品のようなる感じがします。
最近、生成AIブームです。生成AIを使った映像を見ていると本物と作り物の区別がつきません。昨年11月にフランスの映画製作会社が開催したAI映画祭で22歳の監督エラさんが作った映画が話題になりました。彼女は5秒の動画を1分で製作、1本の映画を作るのに費やした時間は2〜3週間だったとか。映画「アメリ」の監督のジャン=ピエール・ジュネ審査員長が「非常に驚異的」とコメントしています。
ちなみに技術が進化すると映像だけではなく、古美術界も3Dプリンターを使って国宝級の古美術品を作れるようになるかもしれません。現在、京都にある寺院に飾られている文化財の襖絵などはコピーです。しかし、有名な古美術品はコピーされても、名もなき美術品はコピーされないので個人的に面白さを見つけることができるでしょう。そのような面白さをどのように感じていくのか、古美術ファンの見識に変化が起こる時代が到来しそうです。 今年もよろしくお願いいたします。

(左)口径 約6.8cm/高さ 約5.5cm/高台径 約4.7cm
(右)口径 約7.2cm/高さ 約5.8cm/高台径 約4.5cm

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