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切子 赤被 手付ジョッキ
[2022/08/07]

最近、若者のビール離れが加速しているという話があります。ちょっと前まで夏と言えばビヤガーデンで冷たいビールというのが定番でしたが、飲料メーカーのノンアルコール飲料の開発や外国産の飲料水輸入の影響で飲み物に対する選択肢が増えたため、ビール離れが起きているようです。写真は昭和初期に作られたジョッキ。丸のカットがブドウを連想させるので、ビールというよりワイン向けのデザインのような感じもします。本作を見ると何の飲料にも対応できるようなデザインを施したと考えられます。ちなみに本作は多数ある切子作品の中でも珍品。切子と言えばコップが主流。取っ手のついた古いジョッキは本当に珍しい。ところで今年、家でビールを飲むためのビールサーバーがヒットしているようです。また、日本各地の地ビールの流行も凄いですよね。現在はかつてのように有名な会社のビールを嗜好するのではなく、多様なビールを楽しんでいるようです。いずれにせよ、暑い夏の冷たいビールは最高。本作に好きなビールを注ぐと美味しさも一層、増すような気がします。マイジョッキでカンパイ!

口径 約7.5cm/高さ 約10.5cm

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服部喜三作 「森光子」肖像画 F12号
[2022/07/31]

先週、NHK「美の壺スペシャル」では昭和レトロをテーマにしていました。それを見ていて思ったことは、昭和は明るい時代だったなということです。その理由を考えると、あの時代は社会的な格差があまりなかったからだと思われます。日本で格差が出始めたのはバブル経済以降。日本人はあの頃からイタリア人的な、陽気な性格を放棄した気がします。写真は昭和を代表する女優、森光子の肖像。森光子といえば舞台「放浪記」です。「放浪記」の作者、林芙美子の人生は貧乏でも楽しそう。それが昭和時代の面白さだと思います。一方、平成から令和と言えば表面を装うことを気にするばかりの時代。貧乏でもプライドばかり高い人が増えたような気がします。そのような人たちには昭和の楽しい貧乏さが理解できないでしょう。ところで、本作品、2万5千円で販売していますが、あきらかにこれは廉価です。本作を評価できる人は映画界、芸能界にたくさんいるはずです。そういう意味では本作は値段があってないような不思議な作品です(絶対に本作は掘り出し物です!)。はたしてどなたが本作を評価してくださるのか。昭和時代を思い出しながら楽しみにしています。

ピクチャーサイズ 縦横 58.5cm×48cm
額サイズ 縦横 73cm×63cm

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会津本郷焼 染付 牡丹文 扇 七寸皿
[2022/07/24]

先週からコロナ感染者が増大しています。ウィルスは生き物ですから、これから先も変異するはず、コロナが大人しくなってくれるまでつき合わないといけないようです。 写真は会津本郷の扇型の七寸皿。本品が作られた時代、気候は現在に比べると過ごしやすかったようです。とはいえ、当時もコレラなど多くの病気が蔓延していました。それから200年近くたちますが、意外と科学も発展していない部分があります。また、科学の発達と共に地球温暖化など新たな問題も出現しています。夏に扇で涼をとっていた江戸時代と比べると、現在はエアコンがあるから過ごしやすくなっていると言えばそうでもない。科学は本当に発展し、人類に恩恵をもたらしているのでしょうか。ところで連日、ヨーロッパの熱波がニュースで流れています。数年前、会津地方に旅行に行きましたが本当に暑かった。本作を見ながら、暑くてもコロナ禍のなかった数年前の気楽さをふと思い出しています。平穏無事に過ごすには栄養を取って、たくさん眠るのが一番。本作に美味しい料理を盛って、暑い夏を乗り切ってください。

口径 約24.5cm×14cm/高さ 約3.5cm

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和田頼挙 女子と金魚
[2022/07/17]
私には成人して働いている息子と娘がいます。 二十年前、彼らがまだ子供だった頃、家には金魚、2匹の亀、4匹の猫など多くの動物がいました。
金魚と言えばお兄ちゃんが夏祭りに行き、金魚掬いをしてたくさんの金魚を持って帰ってきた思い出があります。屋台の金魚は弱いのでほとんどがすぐに死んでしまいますが、1匹だけ丈夫で体調が20センチほどに成長しました。金魚すくいの金魚があんなに大きくなると思わなかったので驚いたことを今でも覚えています。
2年前、最後まで生き残っていた唯一の猫が亡くなったので現在、我が家には生き物は1匹もいません。子供も大きくなってしまい、子供や動物と過ごした時間は楽しかった思い出だけになってしまいました。最近、自分の身体のメンテナンスに気を遣わなければならない歳になったので、動物を飼う気力がわきません。それで写真の軸のような作品を見て、生き物と一緒に過ごしている気分に浸っています。確か、私の娘も軸の中に描かれた少女だったような……。娘は兄が屋台から持ち帰ってきたたくさんの金魚が水槽の中で泳ぐのを珍しそうに眺めていました。それにしても本作、100年前に描かれた作品ですがモダンですね。どうやら子供と金魚の関係はいつの時代も変わらない。いつまでたってもそのまなざしは可愛いものです。

本紙サイズ 縦横 136.5cm×40cm
軸サイズ 縦横 213cm×53cm

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清朝 染付 めだか文 煎茶器 5客
[2022/07/10]

先週の猛暑も少し落ち着き、普通の夏日に戻った感じがします。一方でコロナ感染の再拡大、安倍元首相の暗殺、物価高など問題も山積み心身ともにまだまだストレスがかかりそう。皆様、体調には気をつけくださいね。写真は清朝時代に作られた染付めだか文の煎茶器。胴部にかわいらしいめだかの絵が描かれています。1960年代、子供だった私は夏休みに田舎にある母の実家に行き、側を流れる小川でいつもめだかが泳いでいるのを眺めていました。当時、めだかは珍しくもありませんでしたが、現在、めだかは希少な魚、時代は変わってしまいました。原因は農薬散布と環境の変化。自然を破壊して豊かさを求めた結果、このような状況が生まれたのですが、果たしてそれが本当に「豊か」なことなのか…。かといって、最近の都会の若者はめだかが泳ぐ光景など見たこともないので何が変化したかも理解できないでしょう。 古美術品には昔の自然や動植物が描かれていますが、若者たちがそれにどこまで興味を持つのか。古美術作品と機械で作った食器を見比べて、時代の変化を感じるのは古美術収集家だけかもしれません。現在、私の田舎の小川にいためだかたちは姿を消しました。それで私は本作を見て、昔を思い出しています。

口径 約7.8cm/高さ 約3.3cm

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美濃焼 織部 平茶碗
[2022/07/03]

今年の6月は地獄のような猛暑でした。これが6月かと思えるほどの暑さ。このままいくと7月はどうなることでしょう。先週、テレビの旅番組を見ていると京都の宇治観光の番組を放映していました。宇治と言えば平等院と抹茶。番組では有名店の茶そばや抹茶パフェなどを紹介していたのですが、番組を見ていて本作があることを思い出し、通販サイトにアップしました。織部焼は17世紀前半、美濃地方で生産された焼物。「へうげもの」で有名な古田織部が考案した意匠の焼物です。観念的で真面目な利休好みと違って織部にはどこか自由さが漂っています。利休が大人好みであるならば、織部は若者向きのデザイン。ファッションでいうとコムデギャルソンとビギの夏服の違いかな〜。ビギの服は普通っぽく見えてもお洒落です。 話がちょっと脱線しました。ところで現在、世界的に抹茶がブームだとか。最近は冷茶用の抹茶粉末も販売されているので、本作を使って抹茶、抹茶ラテを飲むと猛暑も乗り切れるかもしれません。カジュアルな気分を味わいたい時にぴったりの夏用茶碗です。

口径 約13cm〜15.5cm/高さ 約5cm

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再興九谷焼 青手 たこ唐草 徳利
[2022/06/26]

毎日、暑い日が続きます。梅雨時なのに全く雨が降りません。このような時には熱中症対策が必須。水分補給とエアコンを有効活用してください。先週、古美術品の値段について文章を書きました。値段は需要と供給、売り手と買い手の価値の一致が必要。写真の徳利を例に考察すると、本作の場合、供給数が少ないので希少性が増し値段が上がるということになります。江戸時代、陶磁器の徳利はもともと供給が少なく(酒器は銅や錫製のちろり、漆器の酒次が主流)、高級品でした。理由は陶器の酒器を使う場が現在ほどなかったからです。江戸の住民は酒屋で通い徳利に酒を入れてもらい、それを家で飲んでいたので本作のようなお洒落な徳利は必要ありませんでした。また、当時のお金持ちは陶磁器の徳利よりも蒔絵などが施された漆器に魅力を感じていたようです。ですから、本作のような形の徳利を人々が使うようになったのは明治時代以降、特に昭和時代に入ってからです。九谷焼がある加賀藩は裕福で文化レベルが高かったので、幕末でも美しく凝った徳利を作る事ができました。仙遊洞では上記のような部分を加味して値段を決めていますが、最近、世間では生活用品の物価が上がって騒がしいようです。これからは、どの分野においても商品の価格設定は難しくなるような気がします。暑い夏に物価上昇、やれやれ…。

高さ 約18.5cm/胴径 約8.5cm

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伊万里焼 古印判 雨・かえで文 そば猪口
[2022/06/19]

関東地方は梅雨に入った後、暑い日、湿気の多い日、寒い日など、気温の変化が激しく、体力が奪われ、私の周りではお疲れモードの人が増えています。季節の変わり目はそれでなくても体温調整が難しいのに、今年は例年より温度調整に体力を使わなければならない。大変ですね。昔、稲作民の日本人は梅雨の季節を歓迎しました。稲作には水と太陽が絶対に必要、どちらが欠けても困ります。写真は古印判を使った染付の雨・かえで文そば猪口。凝った技法の魅力的な作品です。昔、本品のようなそば猪口が欲しかったのですが、高価で入手できなかったことを憶えています。バブルの時代は何でも高かった。現在、世間では為替が円安となって輸入物価が上昇しています。これまで日本経済はデフレで低価安定、生活のしやすい国でしたが一転、各分野で物価が上がっているようです。一方、古美術市場の方はというと、昔のように古美術品と物価の連動性が無くなったように見えます。今日、経済界では金融と物質の価格がせめぎ合っていますが、どの時代も物価の課題はなかなか解決できません。需要と供給、出会いで左右される価格とは一体、何なのか。美しさは変わらないのに価格は変動する。古美術の世界も経済は大いに関係しています。

口径 約7.2cm/高さ 約5.5cm

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正院焼 色絵 こうもり・瓔珞・丸文 鉢
[2022/06/12]

関東は先週、梅雨入りしました。5月の真夏日から一転、曇り空が続きます。写真は能登半島にある正院焼で作られた色絵鉢。何といってもこの鉢の魅力はこうもりの表現にあります。こうもりの顔がとても面白く描かれています。こうもりは西洋では影のイメージがあるようですが、中国では「蝙蝠」と書き、発音が「変福」と同じなので「福に変わる」という縁起の良い存在です。地域によって動物の感じ方が違うのは面白いですね。コロナ禍が流行し始めた頃、新型コロナウイルス感染症は中華人民共和国雲南省墨江ハニ族自治県にある銅鉱山のコウモリが始祖ウイルスであるという説が流れていました。真偽ははっきりしませんが、中国人にとって縁起の良いこうもりなのに人に災いを及ぼす存在となったのでしょうか。そういえば、上海のロックダウンも解除されました。これから、夏はこうもりの季節。こうもりが「変福」をもたらしてくれればよいのですが……。ちなみに長崎にあるカステラの老舗「福砂屋」は商標にこうもりを使用しています。私が旅行で長崎の福砂屋に行ったのは、コロナ禍前の2019年秋。あれから2年間、国内旅行に行っていません。今年は旅行に行けそうなので、少しは「変福」になりそうですね。

口径 約21.5cm/高さ 約9.2cm

御売約、ありがとうございました

伊万里焼 色絵 花草文 平鉢
[2022/06/05]

先週、関東地方で大粒の雹が降りました。とても珍しい自然現象です。先月は寒暖の差が激しく、 地球温暖化の影響が顕著になってきたような気もします。昔は5月と言えば過ごしやすい季節でしたが、コロナウィルスの出現、真夏日の増加を含めて気候が変わってきているのでしょう。 写真の伊万里焼赤絵平鉢は江戸時代中期の作品。本作が作られた当時、エアコンもないのですが、日本は全体的に涼しかったようです。江戸時代の資料を読んでいると毎年、どこかで天災が起きていますが、本作が作られた宝暦時代はまだ呑気で災害数も少なく、天明の大飢饉時ほど被害は出ていません。そのせいか、宝暦様式の伊万里焼は元気な感じがします。個人的な感想ですが、本作からは若くて美しい女性のような感じを受けます。最近、ちょっと歳をとったせいか、本作のような元気な作品がまぶしく見えます。世相が厳しいと過剰な装飾や簡素なデザインになりがちですが、宝暦様式を見ると健康的。時代も人も活気に満ちていたのでしょう。これから私自身、侘びた世界に入って行く時期です。たまに本作のようなまぶしい作品に魅了されるのも刺激的。楽しいですね。

口径 約25.3cm/高さ 約5cm

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