このページは2019年4月6日(土)に行われた骨董講座を再現したものです。 |
第57回 アンコール講座D「シンボルと吉祥」 |
今回の骨董講座は「シンボルと吉祥」です。5年前、同じ内容の講座を行ったのですが、その時は超常現象研究家の秋山眞人さんが来てくれて対談を行ったのですが、今回はそれに新しい内容を含めて話してみたいと思います。 |
(2) 観念的宗教の出現 |
人類の進化はシュメール人が文字を発明した時から始まります。文字は究極のシンボルと言ってもいいでしょう。文字には音声文字と象形文字があります。世界のほとんどの地域は音声文字を使用していますが、中国は象形文字を使う。当初、中国各地の文字はバラバラでした。それを統一したのが秦の始皇帝です。 |
(3) 近・現代のシンボル |
江戸時代に入り、平和な時代になると庶民もシンボル、ブランドに興味を示します。江戸時代の出版物では世界でも類をみないほど多彩です。西洋では本は貴重品だったのですが、江戸時代の日本人は寺子屋で文字を習っていたので、一般庶民でも本が読むことができました。江戸時代の識字率は世界最高。庶民は浮世絵やかわら版から情報を得ます。浮世絵や出版物が流通すればするほど、葵の紋の威力が薄れ、市民社会が発展した。各家庭に幸運のキャラクターである恵比寿・大黒の像が祀られ、歌舞伎役者絵が流行します。儒教を中心とした李朝などと比べると、多神教で道教的な日本人は享楽的だった。江戸の町には男性・女性器を模した石像がいたるところにあり、若い女性がうれしそうに男性器の石像に触れているのを、幕末、日本に来た西洋人が興味深く紀行文として残しています。 |