blog

靉嘔(Ay-O)植物図 リトグラフ
[2018/02/25]

先週の日曜日、平昌オリンピックが終了しました。日本は金メダル4、銀メダル5、銅メダル4を獲得しました。 メダルを取れなくても選手たちの一生懸命、競技を行う姿は感動的でした。 北朝鮮と韓国の政治問題が浮かび上がり、政治的な感じのするオリンピックでしたが、無事、終わったことが何よりの収穫でしょう。 写真は、「虹のアーティスト」として知られる靉嘔(1931年〜、茨城県生)のリトグラフ作品。 靉嘔はフルクサスのメンバーとして活躍した作家で、彼が滞在していた時代、ドイツは東西に分かれており、 1972年、西ドイツで開催されたミュンヘンオリンピックでは、パレスチナ武装難民によるイスラエルのアスリート11人を殺害した、 「黒い九月事件」はオリンピック史上最悪の事件として記憶されています(スピルバーグが映画にしています)。 このような時代、美術家たちは世界平和について自分たちが何をすればよいのか真剣に考えていたのでしょう。 オノ・ヨーコの友人である靉嘔は、虹色を使って人種の多様性と調和を表したかったのではないか、今回の平昌オリンピックを見て、なぜか50年前を思い出してしまいました。
ところで個人的な話なのですが、6年前、娘が中学受験で合格した日、彼女と一緒に東京都現代美術館で開かれていた「靉嘔展」に行きました。 そのことを思い出して、今回、この作品をアップしました。その娘も4月から大学生。我が家では靉嘔の作品がラッキーアイテムなのかも。 きっと虹色が世界の多様性と調和を生んでくれるのでしょう。これからも日本は平和であって欲しいですね。

ピクチャーサイズ 縦横 約41.5cm×31cm
額サイズ 縦横 約53cm×42cm

御売約、ありがとうございました

シルバープレート(銀メッキ) スプーンセット6本 
[2018/02/18]

2月9日から平昌オリンピックが始まりました。 前半は北朝鮮と韓国の政治ショーでしたが、週後半は羽生や小平選手が金メダルを取ったので、ようやくオリンピックらしくなってきました。 スポーツの世界に政治が絡むと野暮です。写真は6色のスプーン。オリンピック旗を見ていて思い出し、通信販売欄にアップしました。 ポストモダンの時代にはいると色彩が減退しますが、モダンな時代は色彩が豊か。近代は観念よりも感覚を優先した時代だったことがわかります。 АIや先端技術が先行する社会において、人間の五感はどのように変質していくのか。身体の美しさを競うオリンピックを見ていると、身体性が大切であることを感じます。 身体に限らず、感覚も同じように大切なものだと思うのですが……。

全長 約10.6cm/匙部分 約2.8cm

御売約、ありがとうございました

九谷焼 色絵 梅に鳥図 大鉢
[2018/02/11]

今年は厳寒のせいか、梅の開花が遅れたようです。梅といえば天神様ですが、2月は受験シーズン真っただ中。 受験生は天神様に祈願して一生懸命頑張っていると思います。写真は九谷焼孔雀・梅文鉢。明治時代初期の作品です。 明治と言えば日本が近代化に向かって進み始めた時代。西洋文明を受け入れて世界に目を向けた時代です。 逆にヨーロッパでは、日本美術の影響を受けてジャポニズムが大流行します。本品のような陶器も西洋に輸出されて、ジャポニズムに一役買ったのでしょう。 外国との交流は一方的に影響を受けるのではなく、双方向で交流が進むのですね。初めて見る外国の美術品は、芸術家に多くの刺激を与えたと思います。 私事になりますがうちにも受験生が一人いました。努力の甲斐あって、無事、希望の大学に進学することができました。 これも天神様に祈願したお陰かもしれません。合格後は楽しい気分で九谷焼鳥梅文鉢を見ることができます。良かった。

口径 約22.5cm/高さ 約10.5cm

御売約、ありがとうございました

第45回・骨董講座「古美術と社会学D 日本人の平面的感性の歴史と現代」が終了しました。 
[2018/02/03]

今回の骨董講座は、日本人の平面的感性と情報取得についてのお話をしました。
スマホやタブレットが蔓延する現代社会、日本人の若者は身体性を失いつつあるような気がします。 一方、年配の方はSNSによる情報取得が苦手で孤立化しがち。知性と身体のバランスがちぐはぐになっているような感じでしょうか。 骨董の世界でもSNSが登場して、古美術品に対する感性が変わったような……。モノよりもコトの世界が始まった。若者はモノから情報取得をしないのかな? これから日本人の感性がどのように変わるのか見ものです。
次回は「古美術と現代の有機農法」。 インスタント食品が登場した1970年代を振り返り、ヒッピー文化、エコロジーと古美術を絡めながら話をしたいと思います。どうぞ、お楽しみに。

骨董講座の内容はこちらからこちらから

骨董講座に興味のある方はこちらから


上へ戻る