blog   2017年10月

朱漆 金蒔絵 秋の七草文 椀5客
[2017/10/29]

先週の火曜日(24日)、カープはDNAベイスターズに敗れて日本シリーズに進出できませんでした。 長年、カープ・ファンをやっていると、今年は日本一になるのは無理だと予想できたので、クライマックス・シリーズで敗れようが、日本シリーズで敗れようが同じことと考えて、あまりショックはありません。 ファンがクライマックスシリーズも突破していないのに「日本一」などと騒ぐのはおこがましい。 シリーズは短期決戦なので、やはり目の前の試合に神経を集中しなければ負けるでしょう。 クライマックスシリーズで敗戦したのは、「日本一」を意識して選手を起用を間違えたカープ首脳陣の責任ですね。
写真は「朱漆 秋の七草文 吸い物碗」。今週、これを取り上げたのは、もちろん、カープのユニフォーム、赤にちなんでです。 今年、カープの選手たちは頑張ってセリーグ優勝を果たしました。それで十分。お疲れさまとねぎらってあげたい。 この秋草文の汁椀を見ていると、今年も終わりが近づいてきたなと感じます。シーズンも終わり……。
ところで、26日(木)にプロ野球のドラフト会議があったのですが、カープは広島の地元、広陵高校の中村奨生を獲得しました。とてもうれしい。 日本一よりも、中村選手を獲得できたことが緒方監督の手柄。と、いうよりも中日の森監督が先に外れくじを引いてくれたのがラッキーでした。 残り物に福があった。一喜一憂があるから人生は面白ですね。中村君、野球界を代表する選手になってね!

口径 約12.8cm/蓋込みの高さ 約9cm

御売約、ありがとうございました

酒津焼・兜山窯 岡本蕭一 急須、湯呑6客  
[2017/10/22]

先週中盤から台風21号の影響で天気が悪くなり、雨の日が続きました。 10月18日(水)に始まったセリーグ・クライマックス・シリーズも雨の影響が出て一転二転、今週はカープがクライマックスシリーズに勝ったというブログを挙げたかったのですが、なかなか希望通りには行きません。 家の中で、雨の音を聞きながらブログを書いています。 今日は選挙と台風21号も重なりせわしい週末となりましたが、このような時は民芸の湯呑でお茶でも飲んで一服したくなります。
写真は柳宗悦が始めた民芸運動の影響を受けて作られた、岡山県の酒津焼、岡本蕭一の急須セット。 浜田庄司の影響を受けているので、浜田風の作品になっています。もう少し秋が深まった頃、石焼き芋を食べながら、この湯呑を使うと季節感が味わえそうです。 また、冷たい秋雨の日に温かいお茶をこのような湯呑で飲むと癒されるでしょう。
来週は快晴の青空の下で、カープの勝利を味わいたいのですが、その時はビールかな。

湯呑 口径 約8.5cm/高さ 約6.2cm
急須 高さ 約11cm/横幅 約16cm

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伊万里焼 色絵 牛祭図 尺皿
[2017/10/15]

10月も中旬になると急に温度が下がりました。町の装いも夏から秋に変わったようです。
京都には「太秦の牛祭」、「鞍馬の火祭」、「今宮やすらい祭」と呼ばれる「三大奇祭」がありまが、そのうち「太秦の牛祭」は陰暦9月12日(10月12日)の夜、左京区太秦の広隆寺で行われます。 昔は毎年、行われていたのですが近年は祭用の牛が見つからないので長い間、中止となっています(最後は2003年)。 牛祭は国家安穏・五穀豊穣・悪病退散を願う祭りで、牛に乗った摩多羅神に観客が罵詈雑言を浴びせる奇妙な祭りです。 「摩多羅神」は天台宗の祭神ですが、この神の正体はゾロアスター教の神ミトラス。ミトラスが日本に伝来すると「ミロク」となります。 広隆寺にある「弥勒菩薩」は有名ですが、その印は牛を表しています。
  古代の日本にゾロアスター教が伝来したと考えると不思議ですが、平安京に遷都が行われる以前、日本では各地で牛祭が盛んに行われて、朝廷は「牛祭の禁止」の通達まで出しています。 広隆寺を創建したのは秦氏なので、秦氏はゾロアスター教徒だったことがわかります。 弥勒菩薩は新羅系の仏像なので、秦氏はペルシャから中国、新羅、出雲を渡って日本に来たのでしょう。 祭の牛が見つからずに「牛祭」が中断しているのは残念ですが、伊万里焼の「牛祭」の皿を見ながら、古代や秋の夜長を楽しむのも一興です。

右手の印は牛を表す

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第41回・骨董講座「古美術商とは何か 古美術商になるために」が終了しました。  
[2017/10/07]

骨董講座も5年目に入ります。本年もよろしくお願いします。
今年の骨董講座のお題は「古美術と社会学」。1970年代以降、骨董業界がどのように変化して来たか社会学の視点を交えてお話します。 1回目は「古美術商とは何か 古美術商になるために」明治時代に登場した古美術商の現在までの歴史的役割、古美術業界の動静を実体験を踏まえながら話をしました。 今年最初の講座には初めて骨董講座に参加される方がいらっしゃいましたが、楽しんでいただけましたでしょうか。
次回以降のテーマは「骨董病とは何か」、「日本の平面的媒体における歴史と現代人の感性」など、ユニークな講座内容を用意しています。 もちろん、今までのように独断と偏見の骨董講座が続きます。骨董について話が聞きたい、自分の骨董観について話がしたいという方の参加、お待ちしております。

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丹波 四耳壺
[2017/10/01]

先週、ブログで「養老の滝」いついて書きましたが、今週は「きりふきの滝」についてのお話です。
最近、テレビを見ていると葛飾北斎の番組をしばしばNHKで放映しています。 新しく作った番組の中では2017年5月25日から8月13日までロンドンの大英博物館で開催された「北斎展」の様子を映し出していました。 大英博物館の「北斎展」は連日、チケットが完売するほど好評で、北斎が世界的に人気があることがわかりました。
  番組の中で北斎の「下野黒神山きりふきの滝」を紹介していました。この作品のように滝をユニークにグフィック的に描く作家は世界でもまれなようです。 「きりふきの滝」を見ていて、前から大切に持っていた遠州丹波焼の茶壷のことを思い出しました。 写真にあるように表面の釉薬の流れが北斎の描いた「下野黒神山きりふきの滝」に似ています。 この壺は小堀遠州が指導して作らせた時期の壺ですが、釉薬の表現がとてもユニークです。 当時、茶葉は高級贈答品として取り引き去れていたので、茶壷にも意匠を凝らしたのでしょう。版画や壺にも美意識を導入する、さすが日本人ですね。

高さ 約36cm/胴径 約30.5cm

御売約、ありがとうございました

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