blog   2017年1月

銅製 杯洗
[2017/01/29]

商品販売欄でも書きましたが、2000年前後、新感覚骨董というジャンルが古美術界を席巻しました。 それを牽引したのは目白の坂田さんや西荻の廬山さんたちでした。
彼らは従来の骨董の鑑賞法、価値観とは違う新しい骨董観を模索していました。 彼らの主張は若者の間で支持され、現在では彼らの趣旨に沿ったクラフト感覚の店もたくさんできました。 昔から廬山さんとは仲が良いのですが、一緒に露店に行って商品を探していた時代を懐かしく感じます。 あの頃、私は若くて元気が良く、骨董に対する情熱も持っていた。 現在でも骨董に対する情熱は変わらないのですが、新感覚骨董以降、新しい古美術の流れが滞っているような感があります。 世間では「君の名は。」に代表されるような、わかりやすい具象が流行し、クラフト感覚よりもグラフィック感覚が蔓延してる。 人々はモノよりもコトを求めているようで、古めかしい骨董品には興味を示しません。 昔から骨董品は年配の方の趣味と考えられていましたが、若者たちが「見立て」などを楽しんだ新感覚骨董の時代が懐かしい。 写真のような銅製杯洗を面白がっていた感性はどこに行ったのでしょう。 それにしても、十数年前を懐かしんで愚痴を言っている私の感性自体、錆ついてしまったのかもしれません。 誰か、この杯洗を花器に見立てて、花でも活けてください。

口径 約16.6cm/高さ 約12.5cm

御売約、ありがとうございました

布志名焼 ぼてぼて茶碗
[2017/01/22]

寒い日が続きます。先週、うちの娘がインフルエンザにかかり、学校を1週間休みました。これからインフルエンザが流行する季節なので皆様、十分に注意してください。
写真の茶碗は島根県で作られた「ぼてぼて茶碗」。民芸ファンの方なら、緑釉のぼてぼて茶碗を一つは持っている人気の茶碗です。 ぼてぼて茶とは島根地方に伝わるお茶漬けのような間食で、番茶を注いだ中にご飯、椎茸、高野豆腐、黒豆、かんぴょうなどをの煮物、たくあんなどの漬物を入れる番茶漬けです。 箸を使わず、茶碗の底を突きながら食べるのが粋な食べ方。郷土料理ですね。
島根と言えば、茶人で有名な松平不昧のおひざ元。上流階級の人は懐石と抹茶を、庶民はぼてぼて茶碗で番茶漬けを楽しんだのでしょう。 昔、国東半島にある杵築に行った時のですが、そこの名物が鯛茶漬けでした。 殿様が漁村に行った時、鯛茶漬けを食べて「庶民はこのように美味しいものを食べているのか」と驚いて名物となったようです。懐石よりもお茶漬けがおいしい場合もあるのですね。 庶民の食材を美味しく食べる工夫がぼてぼて茶を創作させたのだと考えられます。 寒い季節ですので、汁物やスープは必需品。興味のある方は、この茶碗でぼてぼて茶に挑戦してみてください。

口径 約11.5cm/高さ 約8.5cm

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第34回・骨董講座が終了しました   
[2017/01/14]

2017年度、最初の骨董講座です。今回は安土桃山時代。初めて骨董講座に参加していただいた方が2名。やっぱり、安土桃山時代は人気があると感じました。安土桃山時代はテレビでも取り上げられる時代なので、普通の話では面白みがない。そこで今回は秀吉の心理にスポットを当て、お話をさせていただきました。いつもの調子で、信長が中性的な性格、光秀が男性的な性格であることがおわかりいただけたと思います。受講生の皆様、いかがだったでしょう。桃山時代の一面を新たな視点で感じてもらえると幸いです。
安土桃山時代の遺品は比較的、残っているので、今回は安土桃山時代らしい古美術品を展示しました。備前焼の壺やや美濃焼の水差し、迫力があったでしょう。これらの作品は、いつもは押入れの奥で眠っているのですが、久しぶりに日の目を見ました。
次回は江戸時代前期(享保時代まで)の文化と古美術品の話です。天下泰平の世の中が出現し、時代は武芸から文化政策に移り、学者や町人が活躍する時代が到来します。江戸時代前期の逸話を交えながらの骨董講座です。お楽しみに!

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木彫 大黒 恵比寿面
[2017/01/08]

今日、東京は雨でした。これから数日間、日本列島を寒波が襲うようです。 冬なのに温かかったり、急に寒くなったり、先週はインフルエンザの患者さんが急増したようなので、皆さん、寒さには体調には気を付けてください。 対策は睡眠、栄養補給、手洗い、うがいなどでしょうか。

写真は恵比寿大黒面です。江戸時代、北前船が発達すると、この航路上にある西宮の恵比寿神社、出雲大社が崇拝の対象になり、各家庭には豊穣を願って木彫の恵比寿大黒像が祀られるようになりました。 そのような恵比寿大黒像には様々な表情を持つ作品があります。画面向かって左の恵比寿さんは20世紀に入ったころの作品。 夏目漱石が日本と西洋文明の間で悶々としていた時代のものです。表情が近代的でハンサムです。一方、右の画面の大黒さんは江戸時代前期の作品。 鎖国をして、天下泰平だった時代なので、表情もどこか抜けてかわいい感じがします。古美術品とつき合う面白さは、時代によってさまざまな表情の作品と出会えることです。 左の恵比寿さんを最初に見た時、これが恵比寿さんである気づかなかったのですが……。恵比寿さんや大黒さんの固定概念を覆してくれる作品などに興味がわく、この頃。 現在、見ると不気味かもしれませんが、当時の縁起物です。

(左)縦横 約29cm×11.4cm/高さ 約6.5cm
(右)縦横 約19.5cm×約14cm/高さ 約6.5cm

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伊万里焼 錦絵 七福人 大皿
[2017/01/01]

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今年最初の通信販売欄ですが、年明けからキッチュな古美術品の大行進。「お正月くらい、ニューや傷物は避けたら」との意見に、彼女は「骨董屋だから、傷なんか気にしていていたら商売ができない!」ときっぱり、そのような熱意に負けて、今年も年明けから骨董品の登場です。
本品には10センチほどのニューが入っています。縁起物に傷はという方もいらっしゃるでしょうが、骨董好きは少々の傷は無視。確かに少しの傷を気にしていたら、古いものなど買えませんね。完品があれば、それに越したことはないのですが、それはないものねだり、ニューを承知で、この皿の面白さに惹かれて購入した次第です。
ところで、今月20日、アメリカではトランプ大統領の就任式が行われます。ネットには全米各地で反トランプのデモ行進が行われるとか。最初から、脛に傷をもつ大統領となりそう。トランプ大統領が、どのような世界を作っていくのかわかりませんが、最初は問題があっても、最後は上手くやってほしいものです。こう言っては何ですが、トランプ大統領、傷のある魅力的な骨董品に似ているような感じがします。世界中がイミテーションではなく、本音を求める時代に入ったのかもしれません。今年は荒れそうな年ですが、皆様、今年も古美術品とつき合って心を癒してください。
楽しい1年となりますように!

口径 約50.3cm/高さ 約8cm

御売約、ありがとうございました


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