blog   2016年10月

染付山水文 散蓮華 5客
[2016/10/30]

昨日、プロ野球は日本ハムの優勝で、日本シリーズを終えました。日本ハムファンのみなさん、おめでとうございます。 私は熱烈なカープファンですが、長年、ファンをやっていると、ある程度、結果が予想できるのでカープの敗戦はあまり驚きませんでした。 逆によく頑張ったなというのが感想です。
勝敗の分かれ目は機敏性。カープの緒方監督は良い監督ですが、時々、選手を自分の理想の型にはめるという悪い癖があります。 パリーグの球場で、セリーグの野球ではなく、パリーグの野球をすれば負けるのは当たり前。 今回のカープはソフトバンクが日本ハムに負けた野球にそっくりな野球をしていました。 監督は実際に試合をする選手を持ち上げるのが仕事ですが、型にこだわって野球をやると、第6戦のジャクソンのようにふらふらになります。 カープの選手、緊張感のある試合、競り合いに弱いのだから、勝てない試合は早めに放棄したほうがよい。 古美術業界でいうと、お金もないのに古唐津の猪口を、気を張って探し回るようなものです(偽物をつかむのが落ち)。 写真は、江戸時代の染付の蓮華。中華料理を食せていた長崎辺りで使用されたものでしょう。当時の人にとって中華料理は高嶺の花。 一般人には馴染みのない高級な道具です。これからスープが美味しい寒い季節、本品のような蓮華を使って食事をすると、江戸時代の雰囲気を味わえるかもしれません。 北海道、東北はこれから本格的な冬、暖かい部屋で美味しいスープを飲んでください。ちなみに、秋に染付を紹介するのは、日本ハムのユニホームにちなみました。 来年、日本シリーズが終わった時には、伊万里の赤絵を紹介したいものです。

長さ 約13p/横幅 約6p/高さ 約5p

御売約、ありがとうございました

福本古葉 柿小禽図 掛軸
[2016/10/23]

先日、1年間、売れなかった北上聖牛「柿小禽図」をブログ欄で紹介しました。 今年も残るのかなと思いながら店に飾っていたら、無事、お客様にお買い上げいただくことになりました。そのお客様はうちの店に18年、通ってくださっている方。
「先日、有名な軸を売る古美術店に行って商品を見せてもらったけれど、どれも値段がべらぼうに高かった」
「高くなければブランドの価値が下がりますからね。日本には安くて良い軸がたくさんありますが、無名の画家だと見向きもしない」
「お宅は、そこを理解して良い絵を安く供給しているから、視点が良いね」
「ありがとうございます」……。
商売をする時、このような会話をしました。店に季節の軸を飾っていると、季節の直前に売れるのでタイムリーに飾ることができません。商品が売れた後、「柿の軸、他にあったかな〜」と在庫を探していると、1本見つけました。 私はこの軸の存在を忘れていたのですが、発見した時、あらためて自分は「柿の図」が好きなのだなと感じました。 現在、写真の軸を店に飾っています。売れる売れないは別として、店に柿の軸があると、季節を十分に感じることができます。柿の実のように人生も実りたいものです。

本紙サイズ 約124.5cm×42.5cm
表具サイズ 約193cm×56cm

御売約、ありがとうございました

伊万里焼 神道丸文 そば猪口
[2016/10/16]

10月になっても暑い日が続きます。秋の感じがしない。今年は9月が梅雨みたいだったので、晩夏もだらだらと居座っているのかもしれません。 秋分の日の頃から、日本は秋祭りの季節。西荻窪でも井草八幡の秋祭りが行われましたが、ちょっと季節感がずれていた感じがします。いつになったら秋らしくなるのやら。

写真は太陽、神鏡を丸文にデザインした伊万里焼のそば猪口。円とストライプ、山水の配置のバランスが抜群なグッド・デザイン。 このようなそば猪口を見ていると、日本人のデザイン感覚は江戸時代から良かったのだなと感じます。 このそば猪口が製作された18世紀後半は、賀茂真淵や本居宣長、頼山陽などが日本古来の神道を研究し始めた時期。 それに合わせて、このそば猪口も作られたのでしょうか。この夏、幕末の神道家の様子を描いた小説「夜明け前」を書いた島崎藤村の故郷、岐阜県の馬籠宿に行きました。 「夜明け前」を読むと、幕末の庶民が信仰した平田神道がどのようなものであったか理解できます。 このそば猪口を見ていると、その当時も雰囲気がよみがえってくるような……。 日本人の生活に神道が根付いていることを感じさせてくれる一品。
時代を感じさせてくれる古美術品が良品であることは間違いないですね。

口径 約9cm/高さ 約6.5cm

商品の購入をご希望の方はこちらから


李寶那 陶芸作品展
[2016/10/11]

10月6日(木)から10月11日(火)まで渋谷区神宮前にあるプロモ・アルテで「李寶那 陶芸作品展」が行われました。
李さんは世界的に有名な現代美術家・李禹煥の娘さんで、毎年、この時期にプロモ・アルテで個展を開いています。 作品はb器に釉薬を何回も重ねて作った硬質な作品。中国・宋時代の陶器のような色彩、雰囲気を持っています。 李さんの作品は一般の陶磁器とは違う美しさがあり、そこは美術家のお父さんの影響を受けているのだなと感じます。
彼女は日本酒好きなので、独特の雰囲気があるぐい飲みを作っています。毎年、ぐい飲みを私は買うのですが、初日の夕方に行くと、良い作品は売約済……。
私は初日のオープニング・パーティに参加、そこで李さんの生徒さんたちと歓談でき楽しい時間を過ごせました。 みなさん、面白い方たちで、やっぱり美術に関わっている人は楽しいと感じました。来年も李さんは個展を開くそうなので、機会があれば訪ねてください。

李寶那さんは陶芸教室を開いています。
興味のある方はこちらから


再興九谷 孔雀文 大平鉢
[2016/10/09]

先週は久しぶりに天気が回復し、数日間は真夏日になって暑いくらいでした。それでも雨が続くよりは気分は良いですね。普通、10月といえば衣替えの季節、秋の気配を感じる頃ですが、まだ秋の気配はしません。繊細な日本の四季はどこにいったのか、という感じ。初秋、暑い日差しの中、木陰に入ると涼しいので、江戸時代の人はこのようにして涼をとっていたのだなと感じます。エアコンがなくても、意外と自然の中に涼しい。

写真の皿は九谷色絵孔雀文皿。江戸時代後期、金沢は前田藩の施政で財源があり、京都や有田など各地から陶工を集めて美術品を制作させました。 本品もその様な作品の一つで、地方で作られたものですがハイカラな感じがします。 各藩が独自に藩の財政を経営するために殖産事業を拡大させたのですが、前田藩は焼物を選択したところに藩の文化レベルの高さを感じることができます。 最近、江戸時代後期の各地方の歴史に注目が集まっていますが、このような作品に接すると日本文化を鑑賞する面白さも深みが増します。 本品は郷土資料館にあっても十分に鑑賞に堪えることのできる作品。ブランド品だけではなく、このような作品に目を向ける楽しさも骨董の楽しみの一つです。

口径 約34.5p/高さ 約8p

御売約、ありがとうございました

第31回・骨董講座が終了しました   
[2016/10/01]

受講生の皆さま 講座への参加、ありがとうございました。久しぶりの歴史講座でした。受講生の人数が少なかったので、ゆっくりと講座を進めることができました。平安時代中後期は日本で貴族文化が花開いた時代。定朝様式の仏像、浄土庭園、寝殿造りの館など、貴族たちは極楽浄土に憧れを持っていたようです。この時代は日本人が争いを忌み嫌ったため、大きな戦争もなく、平和が長く続いた時代でした。争いを好まない日本人の性格は平安時代の和風で培われたのかもしれません。仮説を交えてお話ししましたが、いかがだったでしょう。
次回は「H鎌倉時代の文化と古美術 −リアリズムの時代―」。貴族に代わって武士政権が誕生した時代、日本人は現実的な思考を始めます。それがどのように成立、展開したのかお話しします。お楽しみに。

骨董講座の内容はこちらからこちらから

骨董講座に興味のある方はこちらから


上へ戻る