blog 2016年9月 |
忍窯 月谷初子作 蝦蟇仙人像
[2016/09/25]
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先週、関東地方はずっと雨続きでした。 1週間の日照時間が5分間という観測史上始まって以来の天候。 梅雨の時よりも風雨が強く台風の季節なのだと感じる日もありました。 曇り空になった時、公園の近くを散歩していると、ガマガエルが道に出てきています。 車に轢かれなければ良いなというも思うのですが、カエルにとっては雨の日自体が心地よいのでしょう。
写真は女流作家・月谷初子の作ったガマ仙人。彼女は12歳で彫刻家を目指し、ラグーザに師事した小倉惣次郎へ弟子入りします。
後に恋愛を成就するために彫刻界から身を引き、陶芸家に転身します。
本品はさすが彫刻家出身者といえる出来栄えです。
グロテスクなのですが写実性に優れており、作品を見ていると創作には男女差は関係ないように感じられます。
近代日本にはいろいろな作家がいるのですね。
このような作品に出合えるのが、古美術商の楽しみ。 高さ 約14.5cm/横幅 約14cm/奥行 約13.5p 御売約、ありがとうございました |
柏畝女史 秋草図 掛軸 (昭和時代)
[2016/09/18]
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最近は雨が多く、夜、散歩をすることができません。 例年であれば、夜の散歩で、美しい仲秋の名月を見ることができるのですが、今年は今一つ。 東アジア周辺では台風の被害が出ており、いつもとは違う初秋の様子です。 それでも、虫の声を聞いていると確実に秋になっている感じはします。 当店では秋の軸を店内に掛けていますが、それを見ると「1年がたつのは早いな〜」と、季節の移り変わりの早さに驚きます。 歳をとったせいか、本当の時間が経つのが早い。これまで、無事に店が続いているのは、皆様のおかげだと感謝しています。 骨董趣味の方々と一緒に生きていくのは楽しい。 写真の軸は「秋草の図」ですが、若い女子が描いた作品なのか、秋にしては瑞々しい。 いやいや、熟練した年配の作家でも瑞々しい作品は描けますからね、やっぱり、年齢ではなく、感性でしょうか。 歳を重ねても好奇心を失わず骨董品と付き合える感性は好いです。趣味がある人は歳を取らないと云われますが、多分、これは本当でしょう。 秋の色は赤だと思っていた私の気持ちを、少し変えてくれた「柏畝女子 秋草図」でした。
軸サイズ 縦横 約206cm×55cm |
伊万里焼 竹虎文水差 唐獅子牡丹皿
[2016/09/11]
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今週、通信販売欄に「伊万里焼 竹虎文水差」と「伊万里焼 唐獅子牡丹皿」を出品しています。
通信販売欄の文章に書いたように、2作品とも動物が安心して身を寄せられる「安住の地」が題材となっています。
人間にとって安住を妨げる要因は戦争、災害、事故などですが、最近、北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイルの発射実験をするなど戦争に関する問題、
北海道や東北を襲った大型台風の問題など、安住とはかけ離れた環境の問題が起こっています。
水差:口径 約15.5p/高さ 約13.3p |
柿小禽図 北上聖牛 (昭和時代)
[2016/09/04]
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床の間に季節の軸を掛けるのは、骨董趣味の楽しみの一つです。 季節が終わり、軸庫にしまった軸を1年ぶりにとりだすと、このような軸があったのかと古い友人に出会った時のような感じがします。それを再び、床の間に掛けると1年が過ぎたことを感じます。 写真の軸は北上聖牛の「柿小禽図」。去年の秋に「通信販売」の欄にアップしたもの。 この作品は売れずに、ずっと「通信販売」の欄にあり、これを見ると、1年前のことを思い出し、「もう、1年もたったのか」と感じます。 骨董屋は古美術品を売るのが生業ですが、中にはずっと売れずに残るものもあり、売れても売れなくても、作品にまつわる気持ちは変わりません。 売れれば良いでのですが、はたして今年はどうなることやら(カープのようにずっと優勝せずに「通信販売」欄にあったりして……)。 今はまだ晩夏ですが、そろそろ秋の軸の準備を始める時期。みなさんの家の床の間に、今年の秋は何が飾られるのでしょう?
軸サイズ 縦横 約138cm×65.5cm |