blog   2014年12月

不動明王版画 
[2014/12/29]

12月も残すところ3日、仙遊洞のブログも今年最後となりました。このブログを一年間、読んでいただいた方には感謝申し上げます。ありがとうございました。
街では新年を迎える年末の煤払いや正月の飾り付けの準備が始まり、テレビでは1年を振り返る番組が流れています。それを見ていると、暮れが近づいていることを感じます。

写真は「不動明王版画」。仏教は煩悩や執着を捨て去せる宗教ですが、中でも「不動明王」はそれを焼き払ってくれる化身です。
日本人は煩悩を払うために、除夜の鐘を聞く習慣があります。108つの鐘が鳴る度に身が軽くなり、年が明けるとすっきりした気分で初詣……。
多神教を信仰する日本人ならでは行動です。最後のブログは「不動明王版画」を掲載して、皆様の厄払いで終わりたいと思います。
健やかに新年をお迎えください。

良いお年を!


金属唐花文燭台 
[2014/12/21]

日本で最初のクリスマスは1552年(天文21年)、周防の山口で、イエズス会のコスメ・デ・テーレスによって行われました。 しかし、江戸時代に入るとキリスト教は禁止され、日本人にとってクリスマスは無縁となり忘れ去られます。 キリスト教が解禁された1900年(明治33年)、明治屋がクリスマス商戦を行い、それ以降、クリスマスは日本人になじみの深い行事となりました。

写真はその当時、作られた金属製の燭台です。 西洋風の台座に江戸時代に使用された鉄芯が取り付けられて、和様折衷の造作が時代を感じさせてくれます。 きっと明治人は、このような燭台にロウソクを立ててクリスマスを祝ったのでしょう(もしかすると、この燭台は弘前市辺りの教会でつかわれていたのかも……)。最近、日本人は暮れになるとイルミネーションを飾りようです。東京タワーや東京駅周辺など、東京の名所ではライトアップをして、クリスマスやお正月の雰囲気を盛り上げます。消費税で景気が減速気味ですが、年末くらいは羽目をはずして憂さ晴らしをしたいものです。 メリー・クリスマス!皆様、楽しんでくださいね。

高さ 約35.5cm/横幅 約14cm

御売約、ありがとうございました

ニューアイルランド島 木彫祭司像 
[2014/12/15]

日曜日(15日)に衆議院選挙が行われました。結果は自民・公明与党の圧勝で、以前と何も変わらない冷めた選挙となりました。 投票率が52パーセントだったことが今回の選挙の状況を物語っています。
骨董業界は株価や景気の動向に大きく左右される業界で景気が良ければ活気が出て、不況であればお客様の財布の紐は締まります。 骨董界には景気に関係ない根強いファンがいるので、業界は潤っているのですが、最近は様子が変わってきました。 以前は品物も豊富で、各地で行われる骨董市も活気がありましたが、今はそれが薄れています。原因はネット・オークションの出現、偽物の横行など、いくつかの要因が考えられます。 今回の衆議院選挙の冷めた感じは、どこか骨董業界にも通じる何かがあるような……。

写真はニューアイルランド島の祭司像です。 日本では馴染みの薄い民族彫刻ですが普遍的な美しさがあり、マンネリ化した美意識を刺激してくれます。 このような美術品の出会うと「芸術は爆発だ」と言っていた岡本太郎の熱い言葉がよみがえってきます。 社会や政治が覚めていても、美意識を磨くと楽しい人生が送れる気がします。

全体高さ 約26.5cm
彫像横幅 約9cm×3.5cm

御売約、ありがとうございました

伊万里染付窓枠文向付 
[2014/12/07]

12月に入って寒さが一段と増しました。これから本格的な冬が始まりそうです。 寒い季節に恐縮なのですが、写真は18世紀後半に有田で作られた伊万里焼窓枠文向付、窓枠の中を見ると冬の模様である氷裂文、雪輪文が描かれています。 それに松竹梅が施されているので、この向付が正月用の食器だったことが考察できます。 江戸時代の人たちは、この向付に新鮮な料理を盛って正月を楽しんだのでしょう。 一方、「このような冬柄の食器は涼感を出すために暑い夏に使った」という人がいます。 確かに、氷のない時代、氷裂や雪輪文を見ると涼しく感じたでしょう。 氷を使い慣れている私たち現代人にとって氷は日常品ですが、江戸時代のひとにとって氷は貴重品、日本人がかき氷を口にできるようになったのは明治時代初期です。 それまで伊万里焼に氷文を描いて食材の新鮮さを引き立てていたのです。日本人の知恵ですね。
氷の話をしていると寒くなってきました。私の周りにも風邪をひいた人がたくさんいます。皆様、風邪にはくれぐれもご注意ください。

高さ 約6.5cm/口径 約11.7cm

御売約、ありがとうございました

第13回・骨董講座が終了しました 
[2014/12/06]

今回の骨董講座は韓国から日本に留学している呉在雄さんをゲストに招いて「韓国と日本の文化比較」の話をしました。 以前にも呉さんに骨董講座のゲストでお呼びしたのですが、前回とは違った韓国文化の話が聞けて、受講生の皆様も楽しんでいただけたと思います。 韓国は日本人にとって「近くて遠い国」。 なぜ、そのような感じを受けるのか、呉さんの話を聞いて理解できたはずです。対談の模様はホームページ「骨董講座」で読むことができます。

講座内容はこちらから

来月はお正月にちなんで「神道・道教美術」についてお話します。神社に行って、神道を身近に感じている人でも、神道の実態は理解しにくいのが実情。 わかりやすく解説するので興味がある方は、骨董講座に参加してください。お待ちしております。

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