blog   2013年10月

唐津の陶片
[2013/10/25]

久しぶりに昔のお客様が店を訪ねて下さいました。その時、お土産にもらったのが写真の陶片で、九州出身のお客様が自ら窯跡に行き、拾ってこられたものです。四十年以上、骨董を収集しておられる方の話は興味深いもので、この陶片を前に唐津焼談義をしました。
その時、そのお客様が話してくださったのは、桃山風の新しい偽物が大量に出回っていること、誰がその偽物を作っているか、東京の人の偽物の唐津焼に対する目の甘さでした。
「最近の骨董屋さんは本物の唐津焼に触れる機会が少ないから、真贋の区別がつかないのだろうな」
そうおっしゃったのを聞いて、私は二十年前、御徒町の未央堂で多くの唐津焼を見せて勉強させてもらったこと、お金がなかったので発掘された唐津焼の陶片を集めていたこと、古美術商を始めると同時に、百個以上あった高台つきの陶片が買った倍以上の値段で完売したことを思い出しました。
私の唐津焼熱が冷めたのは、大金を出して伝世品を数点、買った後でした。伝世品には発掘品にはない美しさがあり、私の唐津焼への渇望が満たされました。
「偽物があるから骨董は面白い」という人がいます。唐津焼の偽物が大量に出回っているのは、それだけ唐津焼に魅力があるからでしょう。
久しぶりに手にした陶片が、唐津焼に憧れて熱心に勉強していた頃のことを思い出させてくれた次第です。


クライマックス・シリーズのカープ
[2013/10/17]

広島市出身の私は40年前からカープのファンです。今年はカープが久しぶりにAクラスに入ったので、昨日、東京ドームに巨人−広島1回戦を見に行きました。五年ぶりに見るカープは以前と違って、躍動感のあるチームに成長したので、私は嬉しさでいっぱいでした。しかし、7回、ピッチャーが横山に代わった瞬間、私は「今シーズンは終わったな…」と感じました。
私の予想通り、横山は点を取られてカープは負けました。勝負の分かれ目は原監督と野村監督の姿勢です。皆で場を盛り上げようとする積極的な原監督と選手を出し惜しみした消極的な野村監督、その差が勝敗に結びついたのです。それを修正すれば、来年、カープはもっと強くなるはずです。

公私混同もはなはだしいと言われるかもしれませんが、私は秘かにカープの躍進を祈願して、根来菓子器を紹介しました。根来菓子器もカープも美しいほうが良い。来年のカープの躍進を願って、今から根来の作品を集めよう。

口径:24cm/高さ:4.8cm

御売約、ありがとうございました


李(りー)寶那(ぼな) うつわ展
[2013/10/13]
昨日、神宮前の「PROMO−ARTE」で開催されている「李寶那 うつわ展」に行ってきました。李寶那さんは、私の大学の恩師である李禹煥先生の娘さんで、新進気鋭の陶芸作家です。李禹煥は日本を代表する現代美術家なので、ご存知の方も多いでしょうが、寶那さんの作品は先生とは違った美しい世界があります。
しかし、凛とした感じが作品に漂っているのを見ていると「親子だな」と感じます。
日頃、古物ばかり接している私が「現代物の器も良いな」と感じられる展覧会でした。


李寶那さんは南青山で陶芸教室を開いています。興味のある方はこちらから


「第一回骨董講座」終了いたしました
[2013/10/05]
10月5日(土)午後、仙遊洞で第一回骨董講座を開きました。
講座のテーマは次のような内容です。

1、骨董と地層学 2、宇宙開発と共に考古学が発展する
3、現代科学と発掘品 4、社会の変化と共に変化する骨董の概念
5、博物館と自分の部屋の違い −手持ちの骨董との対話−

6名の参加者があり、とても楽しい会でした。参加者の方々、ありがとうございました。

第二回は「伊万里について」の講座を11月2日(土)に開催します。興味のある方は上記の「お知らせ」をご覧ください。


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