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李朝 天目釉 陽刻花文 取手付 灯火器
[2020/10/18]

暑さもすっかり和らぎ、過ごしやすい秋がやってきました。とはいえ、朝昼の寒暖差が大きく、いつもの秋よりも体調管理が難しい。それにコロナ禍が加わるので、さらに心身の管理に注意する必要があるでしょう。季節の変わり目なので、風邪をひかぬようにご注意ください。
衣服に衣替えと同じように、古美術品にも衣替えの時期があります。毎年10月になると、涼しい感じの染付、ガラスが民芸や陶器、漆器など温もりを持つ古美術品に衣替え。写真の李朝の灯火器は、宋時代の天目釉に影響を受けた作品ですが、夜が長くなる秋から冬にかけて映える作品です。このような灯火器に油を入れ、実際に夜、灯を灯すと雰囲気が出て、古い時代に誘ってくれます。食欲、読書の秋を楽しむと同時に古美術の秋を楽しむのも一興です。手作り感のある作品が心を癒してくれます。エレクトリックな世界とは違う世界に行くと気分転換できるでしょう。

高さ 約15.5cm/高台径 約6.3cm

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青峰重倫 油絵 「高原の秋」F10号
[2020/10/11]

先週は台風14号の影響で、日本列島全体が雨になりました。しかし、上陸すると考えられていた14号は進路を南に変え、熱帯低気圧に変わりました。これで、今年の台風上陸の数はゼロ。台風の上陸がなかったのは、2008年以来だそうです。今夏を振り返ると、7月頃の長雨、8月の猛暑、台風の上陸がないという異例の気候でした。これに新型コロナウイルス騒動を加えると、自然が人間の敵になったような夏でした。写真の油絵は青峰重倫の「高原の秋」。青峰は、猪熊弦一郎の影響が強い香川県の作家ですが、彼が抽象画ではなく、自然描写の作品を描いているのは不思議です。この絵を見ただけでは、青峰が猪熊の弟子だということはわかりません。この作品を描いた年、青峰は画家から木工芸家に転身します。作品を見ると、9月、初秋なのにどこか寂しい。あくまで印象なのですが、青峰の心を描いているようです。今年はコロナ禍の影響で、人生が大きく変わった人がたくさんいると思います。それを本作と重ねると、情緒が揺さぶられます。経済が社会を支配する欲望の時代、たまには情緒のある作品に触れ、感性を揺さぶられることも大切かもしれません。

額サイズ 縦横 約65cm×74cm

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丹波焼 渋皮手 片口
[2020/10/04]

時候の良い季節になました。10月1日に衣替えも始まり、世間では企業も大学も後期モードに入りました。コロナ禍は持続していますが、季節はそれとは別に移り変わります。大自然と比べれば、小さなウイルス感染に騒いでいるのは、人間だけかもしれません。写真の歪んでいる、傷がある片口。IТ全盛の時代にあって、このような作品に目を向けているのは、よほどの数寄者。抽象性の強い先端技術とはまったく違った世界があり、栗のような色合いが季節感を感じさせてくれます。前所有者は、この片口がよほど好きだったらしく、本品に立派な合わせ箱をつけています。ブランドに向けられる愛情とは違う感覚を感じます。秋は人肌の恋しい季節。本来なら侘しさを楽しめる季節ですが、今年はコロナ禍ばかりが目について騒がしいばかり。情緒を味わう気分にもなりません。コロナ禍が終息するだろう来年は、このような片口を使って侘びた酒を味わいたいものです。

口径 約14cm×17cm/高さ 約8cm

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栗と銀杏 吉村忠夫
[2020/09/20]

猛暑の夏が去って、最近は過ごしやすい日が続きます。市場に行くと秋の食材がちらほら目につくようになりましたが、今年はサンマの姿がない。気候変動のせいで漁獲量が減ったようです。サンマがないと秋になった感じがしません。庶民の味方はどこへ行ったのでしょう。八百屋に行くと、もう栗が並んでいました。栗ご飯をするには少し早い気もしますが……。写真の軸は東京美術学校卒の吉村忠夫の作品です。吉村は「民族絵画」を唱えていた日本画家ですが、この軸を見ると「和製ゴーギャンだな」と感じさせるものがあります。きっと吉村さん、ゴーギャンが好きだったのでしょうね。この手の画家だと奄美大島で画業を行っていた田村一村が有名です。まだ、旅行に行くのが簡単でなかった時代、ゴーギャンがタヒチを目指したように遠い地方や国は憧れの的でした。それが、最近は「GO TO キャンペーン」。交通手段が発達したので簡単にどこでも行けます。旅行が簡単になった分、異国への憧れは減っているようです。旅行はできるが、環境の変化によってサンマが食べることができなくなった。便利になるのも良し悪しですね。

軸サイズ 縦横 約186cm×55.5cm

御売約、ありがとうございました

伊丹米夫 秋の雲仙
[2020/09/13]

今週も先週に引き続いて、長崎の話題です。なぜ、このように私が長崎にこだわるのかと言えば、ちょうど1年前に行った長崎旅行が印象深かったからです。昨年まで、毎年1度は旅行に出かけていたのですが、今年はコロナ禍のせいで旅行に行く気になりません。将来、2020年を振り返った時、旅行に行かなかったことを思い出すことになるかもしれません。写真の作品は坂本繁二郎の弟子であった伊丹米夫(1922年〜1982年、福岡生)の油絵「雲仙の秋」。一見、坂本の作品かと思えるほど、画風が似ています。伊丹さん、相当、師匠にほれ込んでいたのでしょうね。本作は長崎県雲仙市仁田峠から天草方面を見て、描いた作品。眼下に島原市の景色が広がっています。島原と言えば、隠れキリシタンが起こした「島原の乱」が有名ですが、最近、この乱の研究も進み、いろいろな事実が判明しています。それが評価され、長崎県にあるキリシタン史跡が世界遺産に登録されました。コロナ禍のような現状では、外出することもままなりませんが、古美術品を見ていると、過去の体験と重なって不思議な世界を楽しむことができます。コロナ禍が終息するまで、昔行った地方の古美術品の話を掲載しようかな。

額サイズ 縦横 約38cm×43cm

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亀山焼 染付 長崎禅宗寺院 段重
[2020/09/06]

週末、九州に台風10号が接近しました。九州各地で強風と大雨。この時期、日本は台風の季節ですが、慣れているとはいえ、最近の台風は大型化しているので大変です。被災された皆様、お見舞い申し上げます。昨年の今頃、長崎県周遊の旅に出かけました。穏やかな初秋の旅で、埋め立てられた諫早湾の田んぼに稲穂が育っていました。長崎県では長崎市、雲仙、島原市、平戸市などのキリシタン遺跡を巡りましたが、特に長崎市のエキゾチックな文化に惹かれました。写真は亀山焼染付段重。面白いのは、図柄が長崎の黄檗宗の寺院が描かれていること。京都の禅宗寺院は図柄の対象とはなっていません。どの寺院が描かれているのかわかるので、当時の日本では珍しい、さすが、先進文化地帯の長崎にあった亀山焼という感じの作品です。図柄には、長崎独特の坂道が描かれています。私も興福寺を訪ねた後、長い坂道を登って亀山社中跡を訪ねました。今回の台風は準備ができていたせいか、長崎も大きな被害はなかったようです。備えあれば憂いなしですね。

高さ 約23.5cm/口径 約14.5cm×14cm

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